QualcommがIntelやSK Hynixらとコンソーシアムを結成しArmの共同買収を検討しているという意思を表明したと複数の海外メディアが報じている。

Qualcomm最高経営責任者(CEO)のクリスティアーノ・アーモンク氏は5月30日付の英Financial Timesのインタビューにて、Armは非常に重要な資産であり、半導体産業の発展に不可欠であるとし、「QualcommはArmに対する投資を行う意向がある」ことを明らかにしたほか、「Armに対する共同投資コンソーシアムの大きさが十分であれば、Armを完全に買い取る可能性もある」とし、「多くの会社が共同投資に参加するほどArmをより中立的な企業にすることができる」と述べたという。

特定の半導体企業がArmを独占的に保有することは、Armの設計資産を独占することになるが、複数企業による共同保有ということになれば、投資すれば、そうした独占に対する業界が抱く懸念を減らすことができるということだろう。NVIDIAによるArm買収が失敗したことを踏まえた発言とみられる。

Intelも、Pat Gelsinger CEOが去る2月中旬に開かれた「インベスター(投資家)デー」のイベントにて「コンソーシアムができたら、何らかの方法で参加することが非常に有効に働くだろう」とArmに対する共同持分買収の意志を明らかにしていた。

SK Hynix副会長(実質的な最高責任者)のパク・ジョンホ氏もやはり去る3月に開催された定期株主総会後に、Arm買収の可能性に関する質問に対し、「他企業と共同で投資する方案を議論している」とし「特定の者だけが利益を享受する買収は、半導体エコシステムで許されないので、持分を共同で買収する方案を考えている」と答えていた。Samsungはまだ意思表明していないものの、共同買収に加わる可能性があると見られている。