米AMD(旧Xilinx)は5月17日、 Zynq UltraScale+ MPSoCを活用した適応型SOM(システム・オン・モジュール)と開発者用キットから成るKriaポートフォリオに、新たに「Kria KR260 Robotics Starter Kit(KRS)」を追加したことを発表した。これに関して同社のKV Thanjavur Bhaaskar氏(Photo01)よるオンライン説明会が開催されたので、その内容をご紹介したい。
さて、今回の発表を1枚でまとめるとこちら(Photo02)。
Kria SOMそのものは2021年4月に発表されたものであり、2022年2月にはそのKria SOMを利用した「Vision AI Starter Kit」が発表されているが、今回の発表はこれに続くものとなる。というか、KRS自体は実は2月の発表の時にすでにプレビューの形で紹介されており、これが正式に発表されたという形になる。
まずバックボーンから説明すれば、Factory 4.0やIIoT/AIoTがより普及してゆく中で、ロボットはさらに広範に使われる様になってきており(Photo03)、実際に設置台数なども確実に増えつつある(Photo04)。
ただこうしたロボットの開発はまだまだ色々と難しいものがあるし(Photo05)、利用される用途が増えるという事は、それぞれのユースケースに向けての作り分けが必要になる(Photo06)。
こうした現状で、ロボット制御のアプリケーションと言えば、一昔前はCPUやGPUを使うケースがほとんどだったが、最近はFPGAに移行しつつあるのはご存じの通り。ということで今回の発表であるKria KR260をベースとしたKRS(Kria Robotics Starter Kit)の話となる。
Kria KR260 Robotics Starter Kit(Photo08)はロボット制御に向けたキャリアボードと、ROS 2に対応したSoftware Stackをセットにした開発キットである。