JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC: Japan Computer Emergency Response Team Coordination Center)は5月11日、「JVNVU#98578492: Apache TomcatのEncryptInterceptorのドキュメントにおける記載誤りの問題」において、Apache tomcatの暗号化関連の機能であるEncryptInterceptorのドキュメントに、安全性を誤認させる記載の誤りが報告されていると伝えた。

これまでのEncryptInterceptorのドキュメントでは、Tomcatクラスタリングが信頼できないネットワーク上で実行できるようになると記載されていた。しかしこれは誤りであり、実際には信頼できないネットワーク上では想定する保護ができない可能性があり、特にサービス運用妨害(DoS)に関するリスクについては保護が実現できないという。

  • Apache Tomcat 10.1.0-M1から10.1.0-M14までのバージョン
  • Apache Tomcat 10.0.0-M1から10.0.20までのバージョン
  • Apache Tomcat 9.0.13から9.0.62までのバージョン
  • Apache Tomcat 8.5.38から8.5.78までのバージョン

この問題はCVE-2022-29885として追跡されている。詳細はApache Tomcatの次のリリースノートを参照のこと。

  • Apache Tomcat 10.x vulnerabilities

    Apache Tomcat 10.x vulnerabilities

次のバージョンのドキュメントでは、記載内容が修正されている。

  • Apache Tomcat 10.1.0-M15
  • Apache Tomcat 10.0.21
  • Apache Tomcat 9.0.63
  • Apache Tomcat 8.5.79

なお、これはドキュメントの記載の問題であり、実装上の問題ではないため、修正バージョンなどはリリースされていない。