SK Hynixと韓国・漢陽大学は、次世代の半導体人材育成に向け、来年度(2023年3月~)にSK Hynixの契約学科を開設する契約を締結した。

この契約に基づき漢陽大学は、工学部内に半導体工学科を新設し、2022年末に初めての新入生選抜試験を実施、合格者(定員40名)は漢陽大学とSK Hynixが共同開発したオーダーメード型教育課程を履修し、半導体関連の専門知識と実務素養を養うことになる。

また、同学科の学生は漢陽大学とSK Hynixから授業料の全額と毎月の学業補助金(返済不要の奨学金)を支援されるほか、契約により卒業後はSK Hynixへの就職が保証される。さらに、在学中にSK Hynixのインターンシッププログラムにも参加可能で、シリコンバレーや海外学会、同社の米国R&Dセンター訪問などの見学機会も提供されるという。

SK Hynixは、先だって2022年3月に韓国の首都ソウルにあるカトリック系私立大学の西江大学と次世代半導体人材養成を目標にシステム半導体工学科を新設するなど、韓国では、半導体専攻の契約学科の新設が相次いでいる。SK Hynixの競合でもあるSamsung Electronicsも、すでに半導体と次世代通信分野で7つの大学に対し合計9つの契約学科を設置している。

なお、韓国の「大統領職引継ぎ委員会(引継ぎ委)」は、契約学科のスポンサーをSamsungやSK Hynixだけではなく、素材・部品・装備(装置+設備の造語)メーカーにも広げ、「半導体超強国化施策」の目玉にしようとしており、韓国全体に契約学科制度を展開する方針である。