チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは3月17日、記者説明会を開催し、日本法人代表に就任した青葉雅和氏が新しいロゴとスローガンを披露した。同氏はシトリックス・システムズ、クラウドフレアの代表取締役を務めた後、2022年2月に同社に参画した。

  • チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ 代表取締役社長 兼 日本地区担当ディレクター 青葉雅和氏

新しいスローガンは「You Deserve the Best Security(最高のセキュリティを常に身近に)」であり、「BEST」はそれぞれの頭文字から「BLOCK THREATS」「EVERYWHERE」「SMART」「Trusted」の意味が込められている。

  • チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの新スローガンとロゴ

青葉氏は、新しいスローガンを策定した背景について、「当社はファイアウォールベンダーというイメージが強く、新しいソリューションを提供しているが、浸透していない。現在、クラウドシフトが進み、人々はリモートで仕事をしており、アプリケーションも端末もすべてインターネットにつながっている。インターネットがベースのネットワークになると、セキュリティレベルが変わってくる。そうした状況では、トータルソリューションを提供することが重要になってくるので、われわれは新しい体制で臨む」と説明した。

青葉氏は、2022年のソリューション戦略と注力エリアとして、「クラウドトランスフォーメーション & SaaS」「自動化 & AI」「ゼロトラスト」「場所を問わない安全な生産環境」「IoT」を挙げ、「ファイアウォールという言葉は出てこない」と語った。

ビジネス戦略としては、「営業組織の拡充」「パートナー様のビジネス強化」「統合セキュリティ・ソリューションの浸透」「日本のマーケットに合った対応」に注力する。青葉氏は、「これまではよい製品を開発することに注力していたが、日本でもグローバルと同様に、投資をして営業、マーケティングを拡充していく。そして、インターネットセキュリティとして、何が必要かを訴求していく」と説明した。

続いて、サイバー・セキュリティ・オフィサーの卯城大士氏が、2022年に注力する製品「CloudGuard」「Harmony」「Quantum」、これらの製品で提供予定の新機能について説明した。

  • チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ サイバー・セキュリティ・オフィサー 卯城大士氏

「CloudGuard」はクラウドセキュリティプラットフォームであり、クラウドにおける脅威の防止・阻止、自動修復、脅威検知を実現する機能を提供している。

卯城氏は、今年2月に買収した開発者向けの自動コード・セキュリティプラットフォームを提供するイスラエルのSpectralの買収により、CloudGuard を「開発者ファースト」のセキュリティに拡張し、コードからクラウドまで包括的なプラットフォームを提供していくと述べた。Spectralの製品は、開発のスピードを落とすことなく、脆弱性を含むコードが埋め込まれていてもセキュリティを確保できるという。

「CloudGuard」において提供予定のサービスとしては、「CloudGuard FWaaS」が紹介された。クラウドのセグメンテーションと境界セキュリティを実現する同サービスは、As a ServiseとしてAmazon Web Services上でNGFWを提供するため、ユーザーは運用にフォーカスすることができる。

  • 「CloudGuard FWaaS」の概要

続いて、卯城氏はエンドポイント保護統合ソリューション「Harmony」について説明した。これまで、ランサムウェア、マルウェア対策、パスワード保護に関するソリューションを提供していたが、この度、フィッシングを阻止する「Harmony Email (Avanan)」の提供が開始された。

加えて、エンドポイントに対し、ゼロトラストネットワークアクセス、Firewall as a Service、Webセキュリティを提供する「Harmony Connect」において、アクセスモードが追加されることが紹介された。

これまでは、クライアントにエージェントを導入しない「アプリケーションレベル」のアクセスモードで、Applicationレベルのリバースプロキシが提供されていた。今回、クライアントにエージェントを導入して、セキュリティを高める「ネットワークレベル」が追加された。

「ネットワークレベル」では、あらゆるアプリケーション/プロトコルを監視して、ゼロトラストのための機能であるデパイスポスチャ検証を実行し、サービスとしてVPNを提供する。

最後に、ネットワークセキュリティ向けアプライアンス「Quantum Lightspeed Family」の紹介が行われた。同アプライアンスは6つのモデルから構成されている。

|I@005.jpg,「Quantum Lightspeed Family」のラインアップ|

「Quantum」においては、SD-WANとQuantumセキュリティゲートウェイを統合する「Quantum Security & SD-WAN」の提供が予定されている。同製品はアプライアンスの中でSD-WANとセキュリティが統合しているもの。MPLS、インターネット、4G/LTEを含む複数のWAN回線に対応し、9,000以上のアプリをカバーするアプリケーションベースのルーティング検出エンジンを搭載する。

加えて、IoT向け自律型ゼロトラストソリューション「Quantum IoT Protect」も提供が開始される。同製品はIoTデバイスを発見するエンジンを搭載したゲートウェイで、セキュリティポリシーに基づいてデバイスをチェックする。