自動車部品メーカー大手のRobert Boschは、南ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州ロイトリンゲンにある6/8インチウェハ半導体工場のクリーンルームを拡張することを目的に、2025年までに2億5000万ユーロの追加投資を行うことを発表した。

  • ロイトリンゲン工場

    Boschのロイトリンゲン工場

すでに同社は2021年10月、2021年から2023年にかけて、同拠点の既存ファブのクリーンルームの拡張に向け、1億5000万ユーロを投資すると発表しており、今回の投資決定は、それに続くものとなる。これにより投資額は総額4億ドルとなり、同工場のクリーンルーム面積は現在の約3万5000平方メートルから2025年末までに4万4000平方メートル超に拡張されることになるという。

今回の追加投資は主に、MEMSやSiCパワー半導体の需要の増加に対応することを目的としたもので、同社のパワー半導体への注力の度合いがうかがえる。

  • 6インチウェハのパワー半導体

    ロイトリンゲン工場で製造された6インチウェハのパワー半導体 (出所:Bosch)

6/8インチラインにもIndustrie 4.0準拠のFA機器を導入

同社は2021年6月、10億ドルを投じた12インチ(300mm)ファブを独ドレスデンに完成させ、7月より電動工具向けASIC、9月より車載ASICの生産を開始している。この新工場は、Industrie 4.0に準拠したFAを導入した最新鋭のスマートファクトリとなっているが、ロイトリンゲンの6/8インチファブでも同様に、製品の欠損を自動判別するソフトウェアや、人工知能(AI)によるプロセスフローの最適化など、データに基づく生産改善による高い品質の半導体製造を目指すという。

なお同社は2021年10月、独ドレスデンとロイトリンゲン、マレーシアのペナンでの半導体事業の拡大に、2022年だけで4億ユーロ以上を費やすと発表しており、今後、電気自動車(EV)の普及促進に向け、MEMSを含むさまざまなタイプの独自車載半導体の生産に注力するとしている。