米F5は2月16日、統合型のSaaS(Software-as-a-Service)プラットフォーム上で、セキュリティ、マルチクラウド接続、エッジベース・コンピューティングのソリューションを一元的に提供する、「F5 Distributed Cloud Services」を発表し、第一弾ソリューションとして、F5の4つのセキュリティ機能をSaaSサービスへ統合した「F5 Distributed Cloud WAAP(Web Application and API Protection)」の提供を発表した。

  • F5の全ての技術をマルチクラウド環境向け SaaS 型で提供する Distributed Cloud Services

F5ネットワークスジャパン 代表執行役員社長 権田裕一氏

F5ネットワークスジャパン 代表執行役員社長 権田裕一氏は、「SaaSプラットフォームですべての製品を提供できるようにしていく」述べ、今後3年間で日本市場の売上を50%、ソフトウェア売上の比率を300%成長させると語った。それに向け、包括契約、従量課金など柔軟なライセンスモデルを提供。日本向けのライセンスモデルも考えていくという。

同氏はSaaSビジネスの強化する背景として、マルチクラウド環境の浸透(80%以上)、サイバーセキュリティの温床になりやすいBOTのトラフィックがネット上のトラフィックの50%を超えたこと、アプリがマイクロサービス化され、分散配置されることなので、2031年までに利用されるAPIの数が10億以上になることの3つを挙げた。

同社はこれまで買収によって増えたブランドを「F5 Distributed Cloud Services」、「F5 NGINX」「F5 BIG-IP」の3つの統合。「F5 Distributed Cloud Services」は、Volterra分散クラウド基盤に既存技術を統合したものになる。

  • ブランドを「F5 Distributed Cloud Services」、「F5 NGINX」「F5 BIG-IP」の3つの統合

  • 「F5 Distributed Cloud Services」のコンソール。画面は英語版のみ提供

そして、「F5 Distributed Cloud Services」上で動作するソリューションの第1弾として、「F5 Distributed Cloud WAAP(Web Application and API Protection)」を同日発表した。

F5 Distributed Cloud WAAPは、Advanced WAF、SHAPE、Volteraの3つの機能を統合し、DDos対策、WAF防御、Bot対応、API保護(オプション)の4つを提供する。

  • F5 Distributed Cloud WAAPは4つの機能を提供する

なお、米F5は社名をF5 NetworksからF5に変更したことも発表。日本法人も順次変更するという。