半導体市場動向調査会社のIC Insightsによると、2021年の半導体設備投資額は前年比34%増の1520億ドルとなり、過去最高を更新する見込みだという。また、成長率も半導体メモリバブルに沸いた2017年の同41%増に次ぐ高い値となりそうだという。

半導体投資額を主要製品セグメント別に見ると、ファウンドリが35%とダントツのトップで、この傾向は2014年以降、ほぼ維持されている(例外はメモリバブルに沸いた2017年、2018年)。この設備投資の多くが5nmや4nmプロセスといった先端プロセスに対する需要の高まりを受けたもので、2021年のファウンドリ設備投資額530億ドルの57%をシェアトップのTSMCが占めると見られている。

また、中国のファウンドリ大手SMICは、中国市場で求められる半導体の多くを供給することを中国政府から期待されていたが、米国の輸出規制の影響から、それらの計画実行能力が低下。その結果、SMICの2021年の設備投資額は同25%減の43億ドルに留まると予想され、ファウンドリ設備投資額全体の8%を占めるにとどまると見られている。

なお、2021年の設備投資額の前年比伸び率はすべての製品セグメントで2桁の伸びを記録すると予測されており、中でもファウンドリ、MPU/MCU、アナログ/その他、ロジックは前年比で40%以上の伸びを見せる見込みだという。

  • 半導体設備投資

    2019年~2021年の主要製品セグメント別の設備投資額推移 (出所:IC Insights)