Samsung Electronicsは12月23日、第6世代V-NAND(3D NANDフラッシュメモリ)を用いたPCIe 5.0規格対応エンタープライズサーバ用SSD「PM1743」を開発したと発表した。
同製品は、PCIe 5.0をサポートするように設計された独自のコントローラを活用することで、データセンターの急速に高まるパフォーマンス要件に対応する読み取り/書き込み速度を提供できるという。
具体的には、最大13,000MB/sのシーケンシャル読み取り速度と2,500Kの入出力操作/秒(IOPS)のランダム読み取り速度を特長とし、従来のPCIe 4.0と比べると1.9倍および1.7倍ほど高速化できるとしている。また、書き込み速度も、シーケンシャル書き込み速度が6,600MB/s、ランダム書き込み速度が250K IOPSで、それぞれ1.7倍と1.9倍の速度を実現している。これらの高データ転送速度により、PM1743を導入しているエンタープライズサーバメーカーは、高いレベルのパフォーマンスを享受できるという。
さらに、ワットあたり最大608MB/sの電力効率に改善されており、これは前世代比で約30%の改善に相当するとのことで、これにより、サーバとデータセンターの運用コストの削減につながると同時に、二酸化炭素排出量の削減にも役立つとしている。
加えて、デュアルポートをサポートしており、1つのポートへの接続に障害が発生した場合でも、サーバの動作の安定性と高可用性を保証しているほか、データセキュリティニーズの高まりに対応するために、従来はサーバレベルでしか利用できなかった高度なセキュリティ機能を実装。SSDでありながら、セキュリティプロセッサとRoot of Trust(RoT:デバイスの信頼性を保証するための、ハードウェア/ソフトウェアコンポーネント)を組み込んでいるという。
同製品の容量は、1.92TBから15.36 TBまでのさまざまなストレージ容量で利用可能で、従来の2.5インチフォームファクターと、次世代エンタープライズサーバおよびデータセンター向けに設計された3インチEDSFF(E3.S)で提供される。また、すでにPM1743のサンプル出荷を世界のチップセットおよびサーバメーカーに対し開始しており、共同でシステムの発を行っているとしているほか、同製品の量産については2022年第1四半期より開始する予定だとしている。