ルネサス エレクトロニクスは11月30日、電力線を使用して通信が可能な電力線通信(Power Line Communication:PLC)の応用を広げるPLC通信モデムIC「R9A06G061」を発売した。

同製品は、最大1Mbpsの通信を実現しつつ、中継なしで1km以上の長距離通信を可能としている点が特徴。また、バスやスター型のシンプルなP2Pネットワーク構成に特化したとするほか、送信駆動能力の向上により、接続台数が強化され、200台を超える多数台接続も可能となったという。さらに、さらに、耐ノイズ性の向上ならびにアナログ周辺機能の最適化を図ったことで、外付け部品の削減も可能となっているため、システムの低コスト化と小型化を図ることができるようになり、従来PLCの主な用途であるスマートメータのみならず、ビルディング内のHVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)制御や照明システム制御、太陽光発電システムのストリング監視やパワーコンディショナ制御などへの適用も可能になるとしている。

なお、同製品の量産はすでに開始しているほか、AC電源ならびにDC電源用の評価キットも提供が開始されており、評価キットと、PC上で動作する通信性能評価ツールを使うことで、通信特性の評価、エラー解析、トラブルシューティングが可能になるという。

  • 「R9A06G061」

    最大1Mbpsの速度にて1km以上の距離で通信可能な電力線通信モデムIC「R9A06G061」のパッケージイメージ