大日本印刷(DNP)は11月5日、電子マネーを発行する流通・小売事業者や、地域の交通系事業者を対象として、Apple Payの対応に必要なクラウドサービス「DNP電子マネーエミュレーションサーバ」を同月1日より提供開始したことを発表した。

同サービスの導入によって、各事業者は発行済みのICカード(電子マネー)をiPhoneやApple Watchで安全に利用できるようになるという。サービス導入のためには、初期導入費用と月額固定費用に加えて、従量課金が必要となる。なお、同サービスはイオンの電子マネーWAONのApple Pay対応で採用されており、既にサービスの提供を開始しているとのことだ。

  • WAONを利用するイメージ

同サービスの大きな特徴は、「Apple ウォレット内へのバーチャルカードの発行」「チャージ(入金)機能」「カード情報更新・参照機能」「事業者の管理利用登録機能」の4点を容易にシステム連携可能な点である。同社は、電子マネーのApple Pay対応に必要なサポート体制も提供するとしている。

  • 「DNP電子マネーエミュレーションサーバ」のシステム概要図

同社はこれまでにも、スマートフォンでの各種決済を1つのアプリで管理可能な「DNPモバイルWalletサービス」を提供するなど、クラウドペイメントサービスを提供してきた。2019年にはカード発行会社や加盟店のキャッシュレス対応を包括的に支援する「キャッシュレスプラットフォーム」を開始しており、今回提供する「DNP電子マネーエミュレーションサーバ」にはこれらの知見を活用したとのことだ。