キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は10月21日、「ESETセキュリティソリューションシリーズ」個人向け製品の新バージョン「V15」を同25日より提供開始すると発表した。テレワークやオンライン授業での個人所有デバイスの利用に対し、新たにクラウド環境での解析機能を追加することで、高度化するマルウェアへの対策を強化するという。

コロナ禍により、日常生活におけるオンライン化が加速しているほか、昨今のテレワーク推進で家庭にある個人所有のPCなどを仕事で利用する機会が増加している。同社が実施した調査によると、ビジネスメールの送受信やオフィス文書の作成・閲覧、会社システムへのアクセスなど、業務用途で個人所有のPCなどを利用する人の割合が4割近くに達している。

一方、2021年は日本を狙ったマルウェアをメールで送りつける不正メールによる攻撃や、オンラインサービスのアカウント情報などを盗み取るマルウェアが多く検出されているため、個人所有のデバイスにおけるセキュリティ対策の重要性が従来以上に増しているという。

そこで、同社ではESETセキュリティソリューションシリーズの個人向けの最新版を提供する。最新版では、ESET法人向け製品のセキュリティ解析技術「クラウドサンドボックス」を用いた「LiveGuard」を新たに搭載(Windows用プログラム「ESET Smart Security Premium」に搭載)。

  • 「LiveGuard」の仕組み

    「LiveGuard」の仕組み

クラウドサンドボックスは、新たな解析環境としてクラウド上の隔離された仮想環境において、疑わしいファイルを機械学習、サンドボックス、最新のスキャンエンジンにより多角的に解析する技術。

  • 「LiveGuard」は法人向け製品の解析技術であるクラウドサンドボックスを活用している

    「LiveGuard」は法人向け製品の解析技術であるクラウドサンドボックスを活用している

LiveGuardによりオフィス文書を悪用したダウンローダーやファイルレスマルウェアなど高度で巧妙な攻撃を迅速かつ精度高く自動で検出・ブロックすることができるという。家庭内のプライベート利用に加え、業務にも利用される個人所有のデバイスを、法人向け製品並みの高いセキュリティレベルで保護するとしている。

  • 「LiveGuard」の解析性能

    「LiveGuard」の解析性能

そのほか最新版では、Webサイトやアプリケーションのアカウント情報の管理ツール「Password Manager」の対応OSとして、新たにmacOS、Android、iOSを追加(「ESET Smart Security Premium」のユーザーの場合にWebブラウザの拡張機能または専用アプリでりようできる)。PCやスマートフォンなど異なるデバイスで使用している各種オンラインサービスのアカウント情報をブラウザを横断して一元管理することを可能とし、安全性の高いパスワードの運用上の利便性を高めるという。

  • 「Password Manager」の概要

    「Password Manager」の概要

また、管理ポータルとして「ESET HOME」を新たに提供開始しており、PCやスマートフォンなど複数のデバイスが適切に保護されているか否かを一元管理することが可能。スマートフォン向けのアプリも提供を開始し、家庭内で増えた各デバイスのセキュリティに関する管理の利便性を向上する考えだ。

  • 「ESET HOME」の概要

    「ESET HOME」の概要