Microsoftは10月14日(米国時間)、2021年10月の月例アップデートの一部としてWindows 10向けのセキュリティ更新プログラム「KB5006670」をリリースした。しかし、Betanewsは「KB5006670 is the latest Window update to cause printer problems」において、この更新プログラムがユーザの間でプリンタ関連の問題を引き起こしている可能性があると報じている。

記事によると、KB5006670を適用した一部のユーザーから、ネットワークプリントサーバを利用して印刷しようとした場合に、「0x00000709」または「Element not found」というエラーが表示され、印刷が実行できないという報告が寄せられているとのこと。ただし、MicrosoftはまだKB5006670がプリンタの問題を引き起こしていることを公式に認めておらず、対処方法も公開されていない。

KB5006670はWindows 10 バージョン21H1、バージョン20H2、およびバージョン2004向けにリリースされたもので、さまざまな既知のセキュリティ問題に対する修正が行われている。そこには、Windows印刷スプーラーにおける情報漏えいの脆弱性(CVE-2021-41332)、Windows印刷スプーラーにおけるなりすましの脆弱性(CVE-2021-36970)の修正も含まれている。

  • 2021-10 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 21H1 の累積更新プログラム (KB5006670)

    2021-10 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 21H1 の累積更新プログラム (KB5006670)

本稿執筆時点で、これらの脆弱性の修正が新しいプリンタの問題につながったかどうかは明らかではない。しかし、今年7月に発見された「PrintNightmare」と呼ばれる問題をはじめとして、ここ最近のWindowsではアップデートのたびにプリンタ関連の問題が修正され、新しい問題を発生させてきた。Microsoftは依然としてこの混乱を収束できないでいるようだ。

KB5006670をアンインストールすればプリンタの問題は解消できるが、この更新プログラムには多数の脆弱性の修正が含まれているため、アンインストールは推奨できない。現時点での回避策としては、Win32spl.dllファイルを9月版に置き換える方法、サーバ上のプリンタを一旦削除して再インストールする方法、Microsoftが先月無効にしたCopyFiles機能を有効にする方法などが紹介されている。