2020年のCMOSイメージセンサ(CIS)市場は、前年比7.3%増の207億ドルに達したとの調査結果を、市場動向調査会社である仏Yole Développementが発表した。
企業別の売上高ランキングとしては、ソニーがシェア40%でトップ、2位はSamsung Electronicsで22%、3位はOmniVision Technologyで11%と、上位3社だけで市場のほぼ3/4を占める結果となった。
ただし、ソニーは、2020年8月に米国政府がHuaweiをエンティティリストに載せて米国の技術を用いた半導体製品の輸出を事実上禁止としたため、2020年度第4四半期ならびに2021年度第1四半期の当該分野の売上高が減少し、Huawei以外の中国スマートフォンサプライヤとの取引が多いSamsungとOmniVisionはシェアを高めることとなった。シェア4位はSTMicroelectronicsで、それ以下の各社のシェアは1桁台となっており、トップ10入り日本勢としては9位にパナソニック(シェア2%)、10位にキヤノン(シェア1%)がそれぞれ入っている。
CIS Quarterly Report ),A@Yole|
ソニーの四半期ごとのイメージセンサ売上高の最終用途別内訳としては、最近は売り上げの9割近くがスマートフォンなどのモバイル向けで、PC、デジタルカメラ、車載向けなどはそれぞれ数%程度となっている。
なお、Yoleの予測によると、2021年第1四半期は前年同期比約7%増となった模様である。
また、2026年までの市場予測としては、2010年代は金額ベースで毎年2桁%の成長であったものが、2020年代は1桁%程度の成長と緩やかなものになるとしている。その背景として、車載半導体向けに活用される90~28nmプロセスがCMOSイメージセンサでも適用される範囲であるため生産能力の確保がシビアになるためとYoleでは指摘している。