半導体市場調査会社のIC Insightsによると、2005年に世界最大のIC市場となった中国の2020年の市場規模は前年9%増の1434億ドルとなり、その内60%(860億ドル)が電子機器へと搭載され、中国外へ輸出されたという。

中国IC市場の内訳を製品タイプ別で見ると、2020年でもっとも売れたのはロジックデバイスで全体の26%(375億ドル)となっている。IC Insigthsでは、ロジック分野は少なくとも2025年までは中国最大のICセグメントであり続け、この間、年平均成長率10.5%という伸びを維持すると見られている。

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    中国IC市場の製品タイプ別内訳(特定用途プロセッサを含む) (出所:WSTS、IC Insights)

2番手市場はマイクロプロセッサ。これは中国をはじめ、世界で好調だったスマートフォンの販売と、新型コロナウイルス感染症の影響で増加した在宅勤務や遠隔授業の影響によるPCの販売増によるところが大きく、その市場規模は前年比12%増の327億ドルとなったという。

3番手市場はDRAMで、IC市場全体の19%を占めた。また、NAND市場と合算したメモリ市場全体は30%となっている。

全世界における中国ならびにその他のアジア太平洋地域が占めるIC市場シェアは年々拡大を続け、2020年は63.8%。これが2025年には68.1%に拡大するとIC Insightsでは予測している。

ただし、中国はICの最大消費国でありながらも、ICの主要生産国ではない。2020年、中国で販売された1434億ドル相当のICのうち、実際に中国で生産されたのは15.9%(約227億ドル)に過ぎない。さらに、中国系企業が生産したものに限ると83億ドル程度と低く、中国でウェハファブを運営している海外企業(TSMC、UMC、SK Hynix、Samsung Electronicsなど)が依然として大きな存在感を示しているといえる。