半導体市場調査会社である米IC InsightsのICメーカー生産能力調査によると、2020年12月末時点での生産能力トップは以下のようになったという。
- Samsung Electronics(韓国)
- TSMC(台湾)
- Micron Technology(米国)
- SK Hynix(韓国)
- キオクシア(日本)/Western Digital(米国)
- Intel(米国)
- UMC(台湾)
- GLOBALFOUNDRIES(米国)
- Texas Instruments(米国)
- SMIC (中国)
上位5社の順位は2019年から変動はないが、その生産能力の全世界における割合は2019年の53%から54%へと向上。2009年には36%であったころから、上位企業による寡占化が進んだこととなる。
トップ5に入るには月産150万枚(200mmウェハ換算、以下同じ)以上の生産能力が必要だが、6位のIntelであっても88万4000枚/月、7位のUMCも77万2000枚/月と、5位との間に大きな差がある。IC市場は2020年、前年比2桁増の成長率となったが、この勢いは2023年まで続くとIC Insightsは予測しており、市場の成長に併せてファブの生産能力の拡充も続くとしている。
トップ5の動向
生産能力トップのSamsung Electronicsの2020年12月時点の生産能力は310万枚/月で、全世界の生産能力の14.7%に相当する。ただし、2020年はファブの一部ラインをDRAMからイメージセンサ(非ICの分類のため今回の統計からは除外)に転換しており、生産能力の伸びは当初の予想よりも低くなったという。
生産能力2位のTSMCは約270万枚/月と、全世界の13.1%を占めたが、各先端ファブの拡充を継続的に行っており、2021年も生産能力は拡充される見通しである。3位のMicron Technologyは、193万枚/月の生産能力で、全世界の9.3%を占める。4位のSK Hynixの生産能力は約188万枚/月で全世界の9.0%を占める。そして5位のキオクシアは生産ならびに技術パートナーであるWestern Digitalと併せて160万枚/月の生産能力で世界の7.7%を占めた。2020年は北上市に新規ファブ建設に向け、用地の取得が進められた。