XilinxとSamsung Electronicsは、11月10~12日に開催された「Flash Memory Summit Virtual Conference and Expo」にて、XilinxのFPGA搭載したSamsung SmartSSD CSD(Computational Storage Drive)を発表した。
SmartSSD CSDは、FPGAを内蔵することで適応性を高めた計算用ストレージプラットフォームで、大量のデータ処理を伴うアプリケーションに必要な性能、カスタマイズ性、およびスケーラビリティを備えているとのことで、Xilinxは同製品を2020年1月より自社ならびに正規販売代理店を通じて出荷を開始する予定としている。
SmartSSD CSDはXilinxのFPGAをアクセラレータとして組み込むことでデータの近くでの高速演算を可能としたことで、サーバCPUによる制限を回避できるという特徴がある。また、データ移動が少なくなることで、レイテンシと消費電力が削減され、データ処理の速度と効率が向上することから、サーバを追加購入しなくてもデータアクセスの高速化に対するユーザーニーズに応えることができると両者では説明している。さらに、ホストCPUのリソースも解放されるため、その空いたリソースを他のよりハイレベルなタスクの処理に回すことも可能になるとしており、データベース管理、動画処理、AIレイヤー、複雑な検索、仮想化などのアプリケーションにおけるデータ処理を10倍以上高速化できるとXilinxは主張している。
なお、代表的なアクセラレーションとして、Xilinxは次のようなものを挙げている。
- ビッグデータ/データ分析:SmartSSD CSDとBigstream のハイパーアクセラレーションレイヤーを組み合わせて使用すると、Apache Spark統合分析エンジン上でビッグデータから知見を得るまでの時間を最大1/10に短縮できる。
- インストレージ検索(Search-In-Storage):SmartSSD CSD上でLewis Rhodes Labs(LRL)のニューロモーフィック処理を適用すると、ペタバイト級の大規模なデータレイクから目的のデータを数分で検索できる。LRLの確定的処理により、クエリの速度はほかのソリューションの最大100倍まで高速化する。
- ビデオファイルトランスコーディング:CTAccelのビルド済みSmartSSD CSDソリューションは、高性能な画像処理によってサーバのスループットとレイテンシを改善すると同時に、ビデオトランスコーディングのコストを最大60%削減する。
- 透過的圧縮:EideticomのNoLoad NVMe CSDはストレージ容量を最大で10倍に拡張するほか、ラインレート圧縮性能の向上、CPU使用率の改善、および必要なメモリ帯域幅の緩和を可能にする。EideticomのNoLoad NVMe CSDはストレージ容量を最大で10倍に拡張するほか、ラインレート圧縮性能の向上、CPU使用率の改善、および必要なメモリ帯域幅の緩和を可能にする。