Intelは、同社のXe GPUアーキテクチャに基づいたHPC/AIアクセラレーション向けに最適化されたエクサスケールGPU「Ponte Vecchio(開発コード名)」の製造をTSMCに委託する模様であると、複数の台湾メディアが報じている。

TSMCの6nmプロセス(Intelの10nmプロセスに相当)を採用し、2021年に18万枚(300mmウェハ)の生産を委託する見通しで、GPU市場における先行するNVIDIAやAMDに対抗するためには、自社の製造ラインの立ち上がりを待っていては間に合わない、という事情があるようだ。

TSMCの6nmプロセスはすでに提供を開始している7nmプロセスの改良版で、量産提供を開始した5nmに比べて低コストで製造することが可能だという。同プロセスについては、2020年末までに量産が開始する予定となっている。

台湾メディアでは、IntelはすでにこのGPUの製造委託に関する予約を取り交わし済みとのことで、次いで5nmならびに3nmプロセスを用いたCPUの製造についても交渉を進めていると伝えている。

なお、TSMCはこれまで一貫して顧客からの生産受託に関する情報を一切公表しない方針を貫いているため、これらの報道に関する真偽のほどは直接確認することはできない。しかしIntelのBob Swan CEOは、同社が10nmプロセスに続いて7nmプロセスでの製造立ち上げに長期にわたり苦戦している事実を公表しており、場合によっては他社へ製造委託する「緊急時対応計画」(Contingency Plan)をすでに策定したと述べており、その製造委託先としては先端プロセスを唯一安定的に提供できているTSMCが予想されるのは必然であると言えるだろう。

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    2019年11月の製品発表時点ではIntel内部の7nmプロセスを採用し、2021年にも商品化する計画としていた「Ponte Vecchio」 (出所:Intel)