三菱電機は6月15日、同社子会社メルコ・ディスプレイ・テクノロジー(MDTI)で行っていたTFT液晶モジュールの生産を2022年6月をめどに終了し、液晶事業を終息させることを決定したと発表した。

液晶ビジネスは主に中国勢を中心とした海外勢の生産量の増加から、近年、パネル、モジュールともに価格下落が進み、日本勢の多くが付加価値の高い産業機器や車載用途などに軸足を移しているが、高品質・高信頼性が求められるそうした分野においてもグローバルでの価格競争が同社の想定以上に激化しており、製品競争力の維持が困難な状況になってきていたという。

産業・車載用途のような中小型ディスプレイではなく大型であるが、韓国勢も液晶パネル生産からの撤退を決めるなど、業界を取り巻く環境が激しく変化しており、そうした流れを受けてMDTIもモジュール生産を終了し、液晶事業そのものを終息させることを決定したという。

なお、三菱電機としては事業終息後は、同社ならびにMDTIの液晶事業に係わる経営資源をパワーデバイスなどの成長牽引事業群へシフトさせるなどの取り組みを行っていくとしている。