ルネサス エレクトロニクスは1月30日、インターシルブランドとして人工衛星に積載されるペイロード用の低電力FPGA、DDRメモリなどへの電力供給をターゲットとした、同期整流降圧スイッチング・レギュレータと低ドロップアウト(LDO)リニア・レギュレータを1チップ化した耐放射線デュアル出力POLレギュレータ「ISL70005SEH」を発売した。

同製品は、複数の機能を1チップ化したことで、サイズ、重量、消費電力(SWaP)を削減できるポイントオブロード(POL)電源ソリューション。同期整流降圧スイッチング・レギュレータとして95%の効率とLDOレギュレータとして75mVのドロップアウト性能を兼ね備え、発熱を抑えつつ、3.3Vまたは5Vのパワーバスを持つシステムからの3Aまでのスイッチング・レギュレータとシンク/ソース可能な±1AのLDOをサポートする。

また、スイッチング・レギュレータは、抵抗調整によりスイッチング周波数帯100kHz~1MHzの設定が可能でフィルタサイズのさらなる小型化を可能にすると同社では説明している。

主なターゲットとしては、中軌道(MEO)および静止軌道(GEO)の長期ミッション用機器としており、人工衛星テレメトリソリューション向けには40Vクアッドオペアンプ「ISL70444SEH 」、30V 16チャンネルマルチプレクサ「ISL71840SEH」、高精度電流源「ISL70591SEH」、および1.25V精密基準電圧「ISL71090SEH12」などのアナログシグナルチェーンICと組み合わせることができるとするほか、10A PMOSロードスイッチ「ISL70061SEH」、クアッド電源シーケンサ「ISL70321SEH」、3A LDO「ISL75051ASEH」、9A降圧レギュレータ「ISL70003ASEH」などのパワーマネジメントICと組み合わせることで、冗長性、保護、シーケンスをすべて備えた高処理FPGA向けの電源ソリューションを実現することもできるとしている。

なお、すでに28リードのセラミックデュアルフラットパックパッケージ、ならびにダイで販売中で、デバイスの機能とパフォーマンスを評価するための評価用ボードも入手可能だという。

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    耐放射線デュアル出力POLレギュレータ「ISL70005SEH」のパッケージと活用イメージ