トレンドマイクロは4月3日、グローバルITコンサルティング・エンジニアリング企業であるLuxoft Holding(以下、Luxoft)と、コネクテッドカーのセキュリティで戦略的パートナーシップを締結したことを発表した。両社は、コネクテッドカーを狙うサイバー攻撃に対し、被害を軽減、対処を行う「不正侵入検知/防御(IDS/IPS)ソリューション」の開発・販売を行う。

トレンドマイクロによれば、サイバー犯罪者が自動車を含めたコネクテッドデバイスに対する攻撃への興味を示していることに注視しているという。

今回の協業により、機械学習によって通信の異常を検知する機能を搭載した、自動車向けの不正侵入検知/防御を行うソリューションを提供する。

この機械学習は、車載技術による高度な検出メカニズムによって収集されたデータを用いており、膨大な脅威や脆弱性に関する情報を持つトレンドマイクロのグローバルスレットインテリジェンスによって、自動車製造事業者に深い洞察を提供するという。侵入検知技術は、データ分析・検知エンジンを採用しており、車載システムへの不正侵入に対して新たなレベルの保護を行うということだ。

なお、自動車向け侵入検知/防御技術の主な特徴は、安全なV2X(Vehicle-to-Everything)通信の確保、無線通信によるアップデートや資産管理機能を含むクラウドサービスとモビリティサービスの保護、ECUやアクチュエータ、センサーといった自動車の構成要素の安全な運用の確立、継続的な脅威研究活動と予防的な制御メカニズムによる、高いレベルのサイバーセキュリティの提供などがある。

トレンドマイクロの取締役副社長 大三川彰彦氏は、「コネクテッドカーをいかに保護するかという喫緊の課題に対して、Luxoftと協業できることを喜ばしく思います。あらゆるコネクテッドデバイスは、企画・設計段階からセキュリティが考慮される必要があります。両社が開発・提供するソリューションによって、自動車製造事業者は、サイバー上の脅威をブロックするために必要な対策を製品に組み込むことができます。Luxoftが持つ自動車分野の技術力と深い知見、そしてトレンドマイクロのサイバーセキュリティに関する専門知識を組み合わせることで、車載システムのデジタル化によってもたらされる新たな課題に取り組むことができます」と述べている。