半導体市場調査企業のIC Insightsは、2017年の半導体ファウンドリ市場ランキングを発表した。これによると、売上高が10億ドルを上回るファウンドリは8社で、その合計額は623億ドル、ファウンドリ市場におけるシェアは88%となったという。IC Insightsでは、ファウンドリへの参入障壁(ファブ建設コストの高騰、先端技術へのアクセスの困難さ)はますます大きくなっているため、今後とも大手8社によるシェアが大きく下がることはないだろうとみている。

  • 2017年の半導体ファウンドリランキング

    2017年の半導体ファウンドリ売上高ランキング・トップ8 (7位のHuahongグループは、傘下のHuahong GraceとShanghai Hualiの売り上げを含む。Samsungの売り上げは半導体事業の中におけるファウンドリ部門のみ計上したもの) (出所:IC Insights)

トップは売上高が約322億ドルの台湾TSMCで、その規模は2位の米GLOBALFOUNDRIES(GF)の売上高(約61億ドル)の5倍以上、5位の中SMIC(約31億ドル)の10倍以上で、圧倒的な強さを見せ付けている。2017年の半導体市場はメモリが牽引したと言われており、TSMCの前年比成長率も9%と、半導体市場全体の伸びの半分以下に留まったものの、メモリの成長分を除いた成長率としてみると、ほぼ同等の値となった。また、トップ8社のうち4社が2桁成長を達成。中でも中国勢であるHuahongは、同18%増ともっとも高い成長率を示した。

なお、トップ8社中、Samsung Electronicsだけがファウンドリ専業ではなく、IDMの一部門としてファウンドリビジネスを展開している。かつて、IBMもIDMの一部としてファウンドリビジネスを行っていたが、2015年半ばにGFに半導体部門を売却して、ランキングから消えた。また、ファウンドリ兼業IDMとしてはIntelなどもあるが、その売上高は10億ドル未満でランク外となっている。