10月17日、情報システム部門向けに、都内で開催されたセミナー「今、求められる『攻める』情報システム部門」において、サイボウズ株式会社 サイボウズOfficeプロダクトマネジャー 栗山圭太氏が、グループウェア利用の現状を伝えながら、10日に発売が始まったばかりのグループウェア「サイボウズOffice10」を紹介した。

高まる需要、高度化するニーズ

サイボウズ株式会社
サイボウズ Office プロダクトマネジャー 栗山圭太氏

システム開発の初期投資が少なくてすむ、管理業務が軽減されるなど、情報システム部門から注目されているクラウドサービス。その市場は今後、ますます成長すると予測されている。特にインターネット経由でクラウド上のソフトウェアを共有・利用するSaaS(Software as a Service)の伸び率は大きい。また、SaaSのひとつであり、情報やスケジュールの共有を可能にする最新のグループウェアの需要も高まっている。

栗山氏によればサイボウズでも、グループウェア販売数の32%だった新規導入企業が、昨年10月には42%に上昇したという。導入の目的も、従来多かった「ペーパーレスにしたい」「会議室の予約システムとして」といったものから、顧客管理やクレーム管理、店舗ごとの数字管理など、一歩踏み込んだ情報管理を意識したものが多くなっているとのことだ。 「サイボウズOfficeシリーズは、スケジュール掲示板、ファイル管理といったベーシックな機能の他に、ご要望の多いタスクや案件、クレームの管理など、幅広い情報の共有用途に使っていただけます」(栗山氏)

最新版「サイボウズOffice10」では、さらに使いやすく、情報システム部門の負担軽減にもつながる機能が追加されている。セミナーで紹介されたものの中から、いくつかをピックアップしよう。

利用できるアプリケーションを、アカウント単位で制御

多彩なアプリケーションを共有できるのがグループウェアの魅力ではあるが、場合によってはそれを制限したい場合もある。例えば、効率化のために協力企業にアカウントを渡したいが、社内のデータにまでアクセスされると困る…といったケースがそれだ。

「サイボウズOffice10」では、管理者がアカウントごとに利用できるアプリケーションを制御できる。方法も、アイコンをクリックして「許可する」「許可しない」を選ぶだけと簡単。アプリケーション単位なので、データごとにアクセス権をつけるといった面倒な作業もなくなる。

これなら外部協力者に安全にアカウントを渡せるため、迅速な情報共有が行える。

制御設定はGUIで簡単に行える

画面構成の工夫で、情報の閲覧がスムースに

グループウェアでストレスになりがちだったのが、リンクがいくつもある画面で、そのうち1つの情報を確認するためにリンクをクリックすると、画面全体が遷移してしまうこと。別のリンク先を見るには、一度前の画面に戻らなければならないことが多かった。

「サイボウズOffice10」では、このストレスが解消されている。

例えばメーラーでは、クライアントメーラーで一般的な3ペインビューが採用された。フォルダ、メールリスト、本文が分割されて表示される構成だ、メールリストで選んだメールの本文が、右のペインに表示される。これなら複数のメールをチェックする時にも画面全体が遷移せず、すぐに次の本文を表示させることができる。

使い勝手の問題からWebメーラーを敬遠していたという方でも、ストレスなく使えるだろう。

情報閲覧のストレス解消策は、「通知一覧」にも施されている。

「未読」ボタンを押せば、右画面にすべての「未読情報」の一覧が、内容を伴って表示される。確認した通知には、その画面の中でコメントをつけることも可能だ。既読ボタンを押せば一覧からは削除される。

これまでのように、未読情報がどこにあるかを確認し、該当するアプリケーションに入り、そこで情報を確認して、またトップページへ戻って…といった手間はかからない。

時間と手間を取られず、予定の一括登録と調整が可能

通知確認の処理時間は大幅に削減され、大幅な効率アップにつながるだろう。また、様々な通知手段があるグループウェアに慣れていない人にも、分かりやすい仕組みだ。

「グループウェアを導入したが、見方や登録の仕方が煩わしく、見てくれない、使ってくれないという問題に対して、それを緩和する役に立つと思っています」(栗山氏)

データベースの直接編集が可能

編集権限を持つユーザーであれば、わざわざデータベースアプリに入らなくても、一覧ビューからデータを編集することが可能になった。

刻々と変化する状況をスピーディに共有することで、生産性向上にもつながるだろう。

日報の確認作業などにも直接編集機能が役立つ

モバイルビューにも対応

データベースを作成すると、自動的にモバイル用のビューを生成してくれる機能もある。こちらは「サイボウズOffice9」から搭載されているが、スマホを活用したいという最近のニーズの高まりにぴったりの機能として、紹介された。

外部からデータにアクセスできれば、移動時間中にレポートをチェックしたり、最新のデータを取得して交渉に臨んだりすることもできる。

スマートフォン、携帯電話双方に対応

グループウェア開発のトレンドは、使い勝手の向上

クラウドを有効活用するための、第一歩ともいえるグループウェア。

導入する企業が着々と増加している今、開発各社が力を入れているのは、「いかに通知を分かりやすく使いやすくするか、そして直接編集をはじめとした使い勝手の向上」(栗山氏)だという。

「サイボウズOffice」シリーズは、導入企業41,000社以上、シェアでも6年連続でNo.1を獲得している。その実績を支えているのは、今回の新機能紹介からも分かるとおり、ユーザー目線に立って、使い勝手を重視した開発を行っているからだと言えるかもしれない。 なお「サイボウズOffice10」は30日間無償で試用することができる。 興味を持った方は、以下にアクセスしてみてはいかがだろう。