JAMSTECの潜水訓練プールは2フロア構造で、プールサイドが2階、1階は深度3mの部分の水中をのぞき込める窓が4箇所に設置されているので見やすいのだが、これまた大勢で見られるかというと難しい。水族館にあるような全面ガラス張りの巨大水槽などを利用できると見やすいとは思うのだが、飼育している魚たちをケガさせたり何か有毒物を水中に出してしまったりするようなわけにもいかないので悩ましいところだ。何とか、どこか水族館の方とか協力してくれないものだろうか? 浦特任教授もそうしたことを考えているそうで、ある水族館での開催ができないか協力を依頼しているそうだが、やはり魚たちに万が一被害が及ぶようなことがあってはならないので、なかなかすぐに開催というのは難しいという。

「水族館まで行かなくても、このJAMSTECの潜水訓練プールだって、魚を泳がせて、その中で行うというのもありなのではないかと思う」と、今すぐできそうなアイディアも浦特任教授の口からは出ていた。もちろん魚を放つと、どうしても水が汚れるのは確かだろうから、そこら辺をクリアできれば、問題はないはずだが、広いプールに数匹放ったところで意味はないと思うので、どの位の数を放つといいのか、大量に放たなければ意味がない場合、それだけの魚をどう手配するのかといった問題は考えなければいけないところだろう(捕まえるのも大変)。「いろいろと大変なところはあるけど、より自然に近い状態で競技ができれば、またさらに楽しくはなっていくはず」ということである。

そして、浦特任教授の話を聞いていて意外に感じたのが、ロボコンには「バトルがないとダメね(笑)」という、ロボット同士の競争が必要という点だ。バトルというと、ぶつけ合うようなイメージになってしまうが、さすがにそれは難しいので、水中ロボコンで行われているような、1対1で課題をクリアしていきどちらの点が高いかで競うような仕組みが現実的だ。もちろん魚雷で攻撃して先に相手に当てた方が勝ちとか(画像24)、風船のようなものをお互いにつけて相手のを割った方が勝ちといったルールも考えられるが、現状、そこまで激しく自在に動ける水中ロボットを作るのが難しそうである。

画像24。今大会でも子機を魚雷のように発射すると5点獲得というルールだった