美唄市農業協同組合(以下、JAびばい)は、継続可能な農業を目指す「人・農地プラン(地域農業マスタープラン)」づくりに向け、将来の農地利用状況を地図上に視覚的に表示し、集約・再編案を作成する農地流動シミュレーションの利用を11月30日から開始すると発表した。本シミュレーションは、日立ソリューションズの農業情報管理システム「GeoMation Farm(ジオメーション ファーム)」を利用して実施している。

現在、農業分野では、就農者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加などにより、地域農業の将来像が描けない状況にあり、これらの課題に向け農林水産省では「人・農地プラン」の作成を推進している。

本システムは、農業現場におけるさまざまな情報を地図と関連付けてわかり易く管理・活用することができ、圃場(作物を栽培する田畑)単位で情報を管理するため、経営者の年齢、後継者の有無、経営意向などの情報を属性情報として入力することにより、農地流動シミュレーションを行うことが可能。また、シミュレーション結果を地図上に表示するため、視覚的に分かりやすく将来の農地利用状況を把握する。

経営者の年齢、後継者の有無、経営意向を圃場の関連情報として「GeoMation Farm」上で管理し、地図の圃場別に色分け表示することにより、地域農業の現状を視覚的に把握することができる。

地域農業の現状を視覚的に把握

JAびばいは、本システムにより、経営者の年齢、後継者の有無、経営意向などの情報に基づいた、3年後、5年後など任意の時期の農地利用状況の予測と、耕作放棄地の集約シミュレーションを行い、これらの情報を、具体的な農地流動策、担い手利用集積方法、地域農業振興策の検討に活用する。

農地流動の診断

今後、JAびばいでは、農地流動シミュレーションに基づき「人・農地プラン」の作成を支援し、継続可能な農業経営を目指す。