IceMos Technologyは、MEMSプロセス技術を応用した高耐圧パワーMOSFETを開発、量産投入を決定したことを発表した。

同製品は、MEMSプロセスを応用したスーパージャンクション構造を採用しており、オムロン野洲事業所の200mm MEMSラインの製造技術を活用することで、量産品展開が可能となったという。

具体的にはIceMosが独自に開発したスーパージャンクション設計技術「ICE MEMS MOSFET」とオムロンの持つMEMSおよびLSI製造技術を組み合わせることで実現された。既存のスーパージャンクション技術による高耐圧パワーMOSFETは、多段エピタキシャル成長方式によって製造され、N層とP層を高耐圧に必要となる膜厚まで数回積上げていく手法が用いられているが、同技術では単層エピタキシャルでMEMS技術の深堀エッチングプロセスを用いて形成したトレンチの側壁にイオンを注入、拡散しP型領域からなる層とN型領域からなる層を形成することで、高性能と高信頼性を実現したという。

従来のスーパージャンクション技術とIceMosの技術との比較

製品はドレイン-ソース間耐圧650V(最大ドレイン電流20A)の「ICE20N65」でオン抵抗は0.170Ω、同600V(同20A)の「ICE20N60」でオン抵抗は0.160Ωを実現しており、さらに内蔵梗塞ダイオードの逆回復特性が高いことから、電源システムの高性能化、小型化、低消費電力化が可能になると同社では説明しており、液晶テレビのドライバやHID式ランプの点灯用装置、HEV向けDC/DCコンバータ、太陽光発電用パワーコンディショナ、データセンタ用AC/DC電源などでの活用が期待できるとしている。

IceMosのMEMS MOSFET各製品の概要