リチウムイオン電池の保護/管理デバイス「bq77910」

Texas Instruments(TI)は、リチウムイオン電池およびリン酸鉄リチウムイオン電池のバッテリパックの保護および、各セルのバランス機能を提供する1チップ・ソリューション「bq77910」を発表した。同製品はすでに38ピンTSSOPパッケージで提供を開始しており、1000個受注持の単価(参考価格)は2.70ドルとなっている。

同製品は、内蔵のFETによって各セルのモニタおよびバランス機能を提供することから、4セル~10セル直列構成のバッテリパックの電池管理および保護機能を提供しており、2個スタック接続することで、11~20セル直列構成のバッテリパックにも対応可能だ。

消費電力は静止電流が50μA(typ)、シャットダウン電流が2.5μAとなっており、バッテリパックを構成する個々のセルの状態をモニタし、2個のNチャネル・パワーMOSFETを駆動して、故障状態の場合には電流を切断することで、保護機能を提供する。

また、故障検出および故障からの回復の設定(故障検出スレッシュホールドおよび遅延時間の設定)はフル・プログラマブルで、不揮発メモリ(EEPROM)内に保存されることから、LiCoO2およびLiFePO4をはじめとした、すべてのリチウム電池システムに適応することが可能となっている。

なお、同社では同製品を用いることで、電動自転車(EV)、電動スクータ、ポータブルの園芸用ツール、電動工具および無停電電源(UPS)向けなどのバッテリパックの設計を簡素化するとともに、鉛蓄電池の置き換えるが可能となるとしている。