STMicroelectronicsは、医療用スキャナやプラズマ発生器などの高出力高周波数装置において、稼働率の改善と共に性能向上およびコスト低減を実現する次世代高周波(RF)パワー・トランジスタとして150W品「SD4931」および300W品「SD4933」などを発表した。

STMicroelectronicsの次世代RFパワー・トランジスタ製品とその活用イメージ

2製品は、製造プロセスの向上により、競合製品と比較して最低でも20%以上高い200Vのピーク電圧に耐えることが可能だ。これにより、パワー・トランジスタの動作時間の長寿命化ができるようになり、機器のダウンタイムと所有コストの低減が可能となるという。

また、MOSFETの利得、効率および大出力特性も改善しており、機器の性能向上と設計の簡略化にも役立つと同社では説明している。

さらに、これらの製品は次世代の封止セラミックおよびST Air Cavity(STAC)パッケージ技術を採用したことで、チップからの熱放散速度を高め、信頼性を向上させているという。

2製品ともにNチャネルRFパワーMOSFETで、最大250MHzの直流50V信号アプリケーションを対象としており、同社の垂直シリコン・プロセスを用いて、ボルト締め実装用フランジを備えた封止セラミック・パッケージで提供される。

また、「STAC4932B」および「STAC4932F」は、ボルト締め型とフランジレス型を有する同社のSTACパッケージで提供され、レーザの駆動やMRI診断装置といった1000Wを超える定格電力を持つ100Vパルス・アプリケーションを対象としている。

現在、セラミック・パッケージで提供される製品は量産中で、単価は1000個購入時でSD4931が約43.65ドル、SD4933が約77.60ドルとなっている。一方のSTACパッケージで提供されるSTAC4932Bは現在量産中ながら、STAC4932Fは2011年6月に量産開始を予定しており、いずれも単価は約67.90ドルを予定している。