コニカミノルタは3月2日、米Konarka Technologiesと有機薄膜太陽電池の開発・生産・販売に関する包括的な資本・業務提携契約を締結し、本格的な協業を開始することで基本合意に達したことを発表した。

コニカミノルタのロゴ(左)とKonarka Technologiesのロゴ(右)

有機薄膜太陽電池は、フィルム塗布技術をベースに大量生産が可能となる「ロール・ツー・ロール」方式により、生産コストを抑えることが可能な太陽電池で、結果として発電コスト(1kWh当たりの発電費用)の低減が可能となる。また、軽量かつフレキシブルという特性を活かし、曲がった太陽電池などの生産も可能となる。

コニカミノルタでは、写真フィルムの製造技術を応用した有機EL照明の量産化をすでに発表しているが、有機薄膜太陽電池をこの有機EL照明事業に続く、環境・エネルギー分野における新たな柱となる事業と位置づけるとしている。また、Konarkaは、高分子材料の高い技術力を活かし、有機薄膜型において世界最高レベルを達成するとともに、米国マサチューセッツ州ニューベッドフォードにすでに量産工場を保有している。

同提携の締結により、両社は互いに持つ材料技術、光学技術、塗布生産技術を結集し、有機薄膜太陽電池の性能(変換効率、寿命、生産コスト)を向上させるための共同開発を2010年4月から開始、次世代型太陽電池の量産を目指す方針。

なお、コニカミノルタは同契約に基づきKonarkaに2,000万ドルを出資、両社は有機薄膜太陽電池パネルを共同生産するため、共同開発の成果を検証した後、国内合弁会社を設立する計画。また、コニカミノルタは、有機薄膜太陽電池の重要部材である高性能バリア(封止)フィルムをKonarkaへ供給し、合弁会社においても共同生産を行うとするほか、有機薄膜太陽電池パネルの生産に関しては、コニカミノルタをアジア地域におけるKonarkaの最重要事業パートナーとして協業を行っていくとしている。