コスト低減が求められる燃料電池
大日本印刷(DNP)は、燃料電池用電着セパレータの開発品の展示を行っている。従来、燃料電池用電着セパレータはステンレス(SUS304)に金(Au)を電着させたものが用いられてきたが、これではコストがかかりすぎる問題があった。同社では、SUS304とカーボン樹脂の組み合わせにすることにより、「Auの電着に比べ材料費だけで1/100になった」(担当者)と語る。
性能としては、燃料電池のセパレータとして求められる抵抗5mΩ/cm2以下となる4.7mΩ/cm2を実現しており、問題はないとしている。
ただし、コスト的にはまだ高いため、今後はSUS304からアルミに変更してコスト低減を図りつつ、性能の向上を目指すとしている。なお、電解質には白金(Pt)が用いられており、そちらの使用量低減などもコストの問題としては存在しているとのこと。
このほか、同社では、モジュール製品として、画像補正用ICのデモも行っている。展示されているのは、色合い調整用ICとコントラスト補正用ICで、同社が長年培ってきたフォトマスク製造のノウハウを用いてファブレスとしてICの設計を行ったという。コントラスト補正用ICは、逆光や暗い部分/明るすぎる部分の明度調整などが可能なほか、将来的にはノイズリダクションやHDの映像への対応が図られる計画という。