すべてのネットワークプロトコルに対応

ベクター・ジャパンのブースでは、「CANoe/CANalyzer」向けのオプション新製品「CANoe/CANalyzer option IP(CANoe/CANalyzer .IP Version 7.1)」のデモが行われている。

同オプションは、ITSを意識し、これまで対応していた社内ネットワークプロトコルに加えてパケット通信への対応を図ったもの。前バージョンはVersion 1.0という名称であったが、「今回のバージョンの登場を機に、CANoe/CANalyzerのバージョンに数値を併せた」(同社 オープンネットワーク部(PON) J1939/CANopen担当 金田大介氏)という。

パケット通信への対応ということで、デモでは自動車からのCANoeのデータをCAN経由でノートPCに移管、そこかWi-Fiネットワークを用いて、他のPCへ飛ばすということを行っていた。

右の閉じてあるPCが車両を模しており、ここからCANで左のノートPCにデータを転送

ノートPCに転送されたデータはさらにWi-Fiを経由して左の閉じたノートPCへ転送され、そちらでデータが処理される

「こうした機能を活用することで、衝突防止や渋滞検知、出会い頭の事故防止などが可能となるように車両と周囲の情報のやりとりが可能になる」(同)という。IEEE802.11a/b/gやBluetooth、WiMAX、MBWA(802.20)のほか、将来的には欧米で策定が進むIEEE802.11p(5.9GHz帯)や日本で策定が進むITS FORUM RC-005(5.8GHz帯)、700MHz帯(予定)への対応なども見込んでおり、「プロトコル自体はソフトウェアで対応可能なため、カスタマから幅広く要望を募集していく」(同)とする。

また、「日本には日本の通信に関する法律が存在するため、それに対応したモジュールを作って貰えるパートナー企業を随時募集させていただければ」(同)としている。

このほか、同社ブースではアダプティブクルーズコントロール(ACC)の開発支援用に「CANape」のオプション「CANape オプションアドバンスドマルチメディア(CANape .AM)」や診断ツール「Diva」の紹介などが行われている。

「CANape.AM」を用いた画面(レーダ測定の数値データを映像化や鳥瞰図などに変化させることができる)