飲んだら動かさない - アルコール測定器
東海電子は、アルコールを検出すると、自動車のエンジンを動かすことができない「アルコールインターロック装置」の実演を行っている。
現在、飲酒運転での死傷事故は「危険運転致死傷罪」など「業務上過失致死」よりも重い刑罰になる可能性があるほか、飲酒後のひき逃げなどに難しては、車両提供者や酒類提供者、同乗者などに対しても罰則が行われるようになっている。しかし、それでも飲酒運転はなくなっていないのが現実であり、同システムは、そうした現状への対策ソリューションとなっている。
同装置は、呼気を吹き付ける部分と、それを測定する部分に大別される。呼気部分に、警察のアルコール検出と同量の1リットルの呼気を運転前に吹き付けると、それを搭載した燃料電池センサが判定、OKならそのままスタータを回してエンジンを始動できるが、NGならエンジンはかからない。また、呼気を吹き付けなければ、もちろんエンジンは始動しない仕組みになっている。
「1リットルの呼気が必要なのは、道路交通法において、アルコールの容量が0.15mg/l以内と定められているため。このシステムでエンジンスタートを行う場合は、メーカー側の判断で0.05~0.15mg/lの中で任意の値に設定することが可能」(同社 アルコール検知システム事業統括 専務取締役 杉本哲也氏)という。
いつエンジンをスタートさせたか、などのログをデータとして保存しており、主な使用用途としては、そうした情報の活用を含め運送会社やタクシーなどが想定されているほか、アフターマーケットでの展開を想定しており、「海外などでは飲酒運転者への強制取り付け義務化や、アルコール中毒患者への治療用途などにも使われている。そういう分野にも適用できていければ」(同)と期待を覗かせる。
なお、基本部分の開発はすでに完了しており、どのようなインタフェースにするか、アプリケーションへの組み込みは可能かなどをカスタマとすり合わせたうえで、4月頃には販売を開始したいとのことである。