独禁法の圧力軽減のためという見方も
なぜトマト花園版XPが8月15日だったのだろうか。トマト花園版XPが北京五輪の不法中継に加担したのだろうか。北京オリンピックに関する知的所有権侵害事案専門調査団の調査対象だったのだろうか。新華社報道によると、知的所有権侵害に関する告発は6月の同調査団発足以来200件に上り、そのうち重要案件は110件だという。全国21省の市区から寄せられた案件は、各地の公安部門により調査されている。
知的所有権侵害の撲滅運動は、2005年以来毎年1回行われており、今年で4年目だ。トマト花園版XPは2005年の初めにはすでに出現しており、毎年の撲滅運動で他の改造版Windows XPが消滅するのを尻目に多くのユーザーを獲得してきた。
それにしても不思議なのは、Microsoftがなぜ4年前にトマト花園を告発せず、今になって告発したのか、ということである。そもそも知的所有権侵害に関する重要対象ですらなかったトマト花園版XPが、なぜ突然最も重要な案件の一つになってしまったのだろうか。
インターネットユーザーの一部には、Microsoftのトマト花園告発を、独占禁止法の圧力を跳ね返すため、さらにはトマト花園版XPが社会的影響力を持つその日まで、着々と告発の日を狙っていたのではないかという憶測すら流れている。トマト花園版XPの製作者が逮捕されたのは8月15日である。独占禁止法が8月1日に施行されてから半月という時間を考慮し、Microsoftは、脅威となっていた独占禁止法の圧力を軽減すべく、公衆の関心を「トマト花園事件」に誘導したのではないか、という見方である。
中国のネチズンのなかには、Microsoftが、独占禁止法事案より知的財産権侵害事案のほうが差し迫った問題であるとの論調を喚起したかったため、本件で動いたと見る向きもある。
Microsoftの告発は6月に行われており、独占禁止法が施行されてからのものではない。それでもなお上述のような見方がされるのは、独占禁止法が企業の事前準備のため、施行より1年も前から公示されていたためである。