トマト花園版XPで稼いでいた他のソフトウェア企業

トマト花園の収益モデルは業界内において特に珍しいものではない。一方、Microsoftが長らくヨーロッパで被せられてきた「独占」という罪名は、同社のOS上に、同社が各種アプリケーションを有無を言わせず組み込んでしまっていることに発している。

しかしトマト花園版XPの場合は、他社のアプリケーションを、ユーザーのPCに強制的にインストールすることに加え、何よりも海賊版という嫌疑がかかっているだけに事態はより深刻である。

トマト花園版XPは次第に、他のソフトウェア会社が自社プログラムのインストール件数を稼ぐ道具となり、トマト花園が収益を得る仕組みができあがっていった。トマト花園版XPに、他社のアプリケーションソフトを強制的に組み込み、ユーザーがそのソフトウェアをインストールするごとに、トマト花園が1~3角(「角」は1元の10分の1)の収入を得るというものである。多くのソフトウェアの年間インストール数は、数千万から億単位に達する。

国内のあるソフトウェア会社の経営者によると、「インストール1回につき1角としても、トマト花園が抱える膨大なユーザー群を考慮すれば、1年間で1社につき百万元(1,500万円)は稼ぐことができる。このような裏の取引は、双方の口約束の上で行われているものが多く、矛盾も起こりやすい」という。このため、トマト花園事件が、そもそも海賊版業界の内部抗争に端を発しているのではないかという憶測すらあるのだ。