利益を得たかどうかが有罪か無罪かのカギ

洪磊氏が逮捕された後、彼がトマト花園版XPを通じて利益を得ていたかが、本事案の焦点となった。中国の刑法によれば、知的所有権の侵害において有罪とするには、当該行為によって利益を得ることが目的であったか否かがカギである。もし、他社のソフトウェアに個人的に修正を施していたとしても、それにより利益を得ていなければ、有罪とするのは難しい。

トマト花園のような、海賊版ソフトウェアを提供するサイトには、一般的に海賊版ソフトウェアの販売、インターネット広告などの収益ルートがあるという。

すでに大量のトマト花園版XPが市中で販売されているが、もともとはトマト花園から無料ダウンロードしたものである。一般商店で販売されているトマト花園版XPはユーザーがダウンロードした後に、自分で複製したものか海賊版業者が大量生産したもので、トマト花園自身はトマト花園版XPを外部で販売するなどして利益を得ていた訳ではない。このため、トマト花園版XPが複製品の外部販売以外の手段で利益を得ていたか否かが本事案の行方を決める最終的なカギとなった。

Microsoft中国などが著作権局と公安部に訴え

一方、一部のユーザーは、トマト花園版XPには、ユーザーの許可を経ずに強制的にインストールされる「悪意のあるソフトウェア」が多数存在していると述べている。

また最近では、洪氏の銀行口座に200万元(3,000万円)以上の預金があることが警察の調べで分かり、これらはトマト花園を通じた利益による所得と考えられている。しかし、つい最近の報道によれば、トマト花園の「産業チェーン」に絡む金額はすでに数億元に上っているという。

8月20日午後、Microsoft中国がメディアを通じ、「トマト花園による海賊版ソフトウェアの一件は、長きにわたり、当社を含む国内外のソフトウェア会社の権益に深刻な損害をもたらしてきた。これに鑑み、先般当社及びその他数社のソフトウェア会社が共同で、トマト花園の違法行為を著作権局と公安部に訴えたところ、この一件が非常に重要な問題として扱われることとなった」と発表した。

Microsoftはこれまでも中国で海賊版根絶に取り組んできたが、海賊版の個人ユーザーに対してはなかなか有効な方法を見つけられずにいた。例えばInternet Explorerのアップグレードは、正規版の検証を経なければできないが、このような方法を用いても海賊版絶滅の成果は見られなかった。結局Microsoftはこの方法を取りやめ、昨年10月のIE7へのグレードアップには正規版の検証を必要としないことをユーザーへ通知した。

現在中国では、多くの専門家が、今回のトマト花園に関するMicrosoftの訴えは、海賊版の個人ユーザーに対する警告であるとみなしている。「トマト花園版XPは、Microsoftのために、大量のWindowsユーザー予備群を生み出した。役目を終えた今、トマト花園をつぶし、ユーザー予備群を正規版の自社製品に引き付ける時が来たと見計らったのでは」という見方もあるくらいだ。