Windows Server Virtualizationでは、このハイパーバイザ方式を実現し、さらにペアレントパーティションにServer Coreを採用している。このSerer Coreの採用により、Windows Server Virtualization自体を高い堅牢性と最小限のリソース消費で実現することができる。

この仮想環境の管理は2007年下期にリリース予定のSystem Center Virtual Machine Manager(Virtual Serverにも利用可能)を利用する。

さらに、Virtual Serverで採用しているVHD形式のファイルをサポートしているため、Windows Server Virtualizationで採用しているパーティションベースへも容易に移行可能となっているとのことだ。

Virtual Serverとの主な差異を以下に記しておく。なお、( )内はVirtual Serverの仕様である。

  • x64 VMのサポート(x86:32ビットVMのみ)
  • 最大4プロセッサのサポート
  • VMあたりの最大メモリ 32GB以上(3.6GB)
  • WMIスクリプティングサポート(COMサポート)
  • MMC3.0インタフェース(Webインタフェース)
  • 仮想マシン最大数64以上ハードウェアリソースの上限まで(64)

このWindows Server Virtualizationは、前述のServer Coreと組み合わせることで、リソース消費が少なく、より安定性/安全性の高い環境を実現することができるようになるだろう。

仮想環境を実現するハードウェアの観点からみたポイントは、おそらくメモリとなるのではないだろうか。スペック上、1つのゲストOS当たりの必要メモリはおそらく512MB - 1GB程度であるが、それはOSとしての必要メモリであって、ミッションごとに本当に必要なメモリはそれより多く、しかもその量は見積もり時と運用を始めてからでは想定外のケースもある。

実は仮想化のもうひとつのメリットは、メモリ量の最適配分が行えるというところにもある。物理的に搭載できるメモリの最大量は当然上限があるが、そのメモリを再配分するのは仮想化されたマシン上では数値を変えるだけ、と造作もないことである。同様にCPUのパワーの配分も同様のこと事が言える。

今まではハードウェアのリプレースサイクルによってはDHCPサーバの方がファイルサーバより高性能といったケースもあったのではないかと思うが、これからの仮想化によりフレキシブルにリソースの再配分を行うことができるようになるだろう。