「トランザクショナルNTFS」とは、ファイルシステムにトランザクションの機能を実装したもの。たとえばファイル中のデータの書き換えには何回かのファイルアクセスがあるが、その途中でディスクアクセスが失敗した場合、途中まで処理したものを返すのではなく、元の状態にロールバックできる機能である。通常はDBなどのアプリケーションがデータの整合性を保つために実装しているが、これをファイルシステムそのものに実装した。

ファイルの処理の失敗といっても、ユーザが誤ってデータを書き換えた/削除したようなケースでは、バックアップからのリストアとかWindows Server 2003で実装されているVolume Shadow Copyを行えばよい。このトランザクショナル機能は、たとえば、ユーザがバッチ処理で大量のファイル名を変更しようとして途中で止まってしまったようなケースが想定されている。つまり、一連の処理すべてが終わった段階で、その処理をコミットするかロールバック(元の状態に戻す)するかを決めることができるようになるというものだ。同様に、DBと連携しないようなシンプルなWebサーバ上でこの機能を使うことにより、信頼性の高いデータアクセスができるのではないかとも思われる。