ハウスメーカーはどうやって選ぶの?選び方、注目ポイントや注意点を紹介

理想の注文住宅を建てるためにハウスメーカーに依頼しようと思っても、大手だけでも数が多く、中小も合わせるとどこを選べばよいのか迷ってしまいます。適当に選んで理想を実現できなければ後悔は一生続くでしょう。

そこでこの記事では、ハウスメーカーの選び方について注目すべきポイントや注意点を徹底的に解説していきます。建てた住宅は終の住処となり、つくりがしっかりしていると孫の世代でも問題なく住むことができます。ぜひ参考にして、依頼するハウスメーカーを厳選してください。

すぐわかる!この記事3つのポイント!
  • ハウスメーカー選びでは、住宅デザイン間取り構造・工法、耐震性能コストアフターサービスと担当者との相性が重要な判断基準。
  • モデルハウス訪問住宅相談サービスを活用することで、具体的な情報を得て比較・選定するのが効果的でしょう。
  • 選択時にはハウスメーカーの知名度や坪単価だけでなく、総合的なサービス内容や将来のリスクも考慮に入れることが大切です。
目次

ハウスメーカーの選び方のポイント

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家族で話し合い理想の住宅の条件を整理していても、それを現実に落とし込むためにはハウスメーカーの協力が必要です。しかし、提案してくれる内容はハウスメーカーごとに特色が出ます。理想を実現してくれる所を選ぶなら、次のポイントをチェックしましょう。

  • 住宅デザインや間取り
  • 住宅の構造・工法を確認
  • 耐震性能を確認
  • 住宅コストを確認
  • アフターサービスの内容・期間を確認
  • 担当者との相性

それぞれどのようなところがなぜ重要なのかを、詳しく見ていきましょう。

住宅デザインや間取り

ハウスメーカーはそれぞれ得意な間取りやデザインがあり、それを元に顧客の希望に沿った提案をしてくれます。初めて住宅を建てる人が、細かいデザインや間取りまでを決めることは困難なため、提案された内容に修正を加えながら最終案を決定することが一般的です。

ハウスメーカーを選んだ時点で、ある程度のデザインや間取りの方向性は決まっているので、気になる会社の公式HPで施工例をチェックすると、得意としているデザインや間取りがつかめます。外観や内装も細かくチェックして、好みのデザインの住宅を建てた実績があるハウスメーカーにすると、提案も希望に近くなりやすいです。

住宅の構造・工法を確認

建てる住宅の性能は、構造によって大部分が決まります。どの構造・工法でも建築基準法は満たすため、基本的な質は保たれていますが住み心地は変わってきます。ハウスメーカーごとに採用されている、次の工法の種類も厳選しましょう。

  • 木造軸組工法(在来工法)
  • 2×4工法(ツーバイフォー)
  • 重量鉄骨造
  • 軽量鉄骨造
  • 鉄筋コンクリート造

木造軸組工法(在来工法)

木造軸組工法とは、柱や梁に木材を使用した日本の伝統的な工法です。骨組みを組み立てたあとで屋根や壁から作るため、内部の構造の工事中は資材が雨に濡れず日本の気候に配慮されています。

柱や梁の位置で間取りの自由度が高く、容易に大きな開口部を設置できます。光をたくさん取り入れることができ、眺望の確保も可能です。開口部を各所に設けると通気性がよくなり、湿気が溜まりにくい住宅になります。また将来はリノベーションもやりやすく、増改築も減築も思いのままです。

大手のハウスメーカーでは、一条工務店や木下工務店などが木造軸組工法をメインに採用しています。西洋的なスタイルも実現できるため、木造軸組工法は独創的な住宅を建てたい人におすすめです。

2×4工法(ツーバイフォー)

2×4工法とは、2×4インチの木材の枠組みを1セットとして、面を組み合わせて住宅を建てる工法です。規格化された資材を使うため木造軸組工法より工期は短く、さらにパネルで覆われた形になるため気密性や防音性も高まります。

しかし面を組み合わせる構造なので、木造軸組工法より自由度は下がってしまいます。窓を取り付ける位置も制限され、増改築する際も面の長さや高さを基本にしたつくりにしなければなりません

2×4工法は大手メーカーだと、三井ホームや住友不動産が採用しています。同じ木造住宅でも、木造軸組工法との違いを考えて2×4工法を選びましょう。

重量鉄骨造

重量鉄骨造とは、柱や梁などの骨組みに当たる部分に6mm以上の厚みの鋼材を使った構造のことです。木材と違って品質は安定していて、頑丈なため柱の間隔を10m以上取って大きな間取りが実現できます。またハウスメーカーによっては3階建て以上の住宅も建てられ、下層階を賃貸や店舗にした9階建てなども建築可能です。

一方で構造が鉄鋼のため、木材のときより建築費用は高額になるほか、重量があるため地盤によっては追加で補強の工事も必要です。土地選びのときから注意しておかないと、余計に費用がかかってしまうでしょう。

これらの重量鉄骨造は、大和ハウスやヘーベルハウスなどの大手が採用しています。高層階の住宅に住んで見たい人は、この構造を検討してみてください。

軽量鉄骨造

軽量鉄骨造は、基本的な部分は重量鉄骨造と同じで、6mm未満の鋼材を使って住宅などを建てます。重量鉄骨造よりは、鋼材の厚みの分だけ鋼材のコストは安くなり、重量の軽さから地盤工事の必要性も減るでしょう。

軽量鉄骨造の弱点は木材より音や熱が伝わりやすく、室内の温度や防音・遮音性が劣る点です。構造的な問題のため、根本的に解決することは困難です。しかしトヨタホームやへーベルハウスといった大手が、軽量鉄骨造を採用しています。実績のある大手であれば、対策された住宅の設計を期待できるでしょう。

鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造は、柱や梁、壁・床などを鉄筋コンクリートにする住宅の工法です。耐火性や耐久性に優れていて、柱や梁がない構造でも建てられます。

欠点は施工業者により品質に差が出やすい点です。多くの作業が現場で行われ、天候が悪いとコンクリートのできに悪影響が出ます。また熱が伝わりやすく、断熱対策をしていないと夏や冬に外気温の影響を受けやすいです。

この工法は、三菱地所ホームや大成建設ハウジングなどの大手が採用しています。頑丈な住宅に住みたい人は、鉄筋コンクリート造に対応できるハウスメーカーを探しましょう。

耐震性能を確認

日本に住宅を建てる限りは、地震の影響から逃れられません。耐震性が高められた住宅でないと、構造に問題が起きて建て直しが必要になってしまいます。耐震に優れた住宅かどうかは次の3つの指標で判断可能です。

  • 耐震等級
  • 最大ガル数
  • カイン数

1つ1つの意味を知り、ハウスメーカーが実施している耐震実験結果の優劣を判断できるようになりましょう。

耐震等級

耐震等級とは、建築基準法の耐震基準を利用した品質の指標で評価は3段階に分かれており、強度は次の通りです。

耐震等級性能
等級1数百年に一度の地震で倒壊しない建築基準法に準拠した耐震性
等級2建築基準法の1.25倍の耐震強度
等級3建築基準法の1.5倍の耐震強度

等級3ともなると災害の復興拠点になるほどの信頼性があり、警察署や消防署で採用されている耐震性です。

もし依頼したいハウスメーカーのデフォルトの耐震等級が低くても、対処することはできます。追加で費用が発生するかもしれませんが、等級を上げて建ててもらうことは可能です。

最大ガル数

ガルとは加速度を表す単位の1つで、耐えられる最大ガル数が大きいほど、地震の瞬間的な衝撃に強い住宅であることの基準になります。ちなみに東日本大震災で約3,000ガル、熊本地震では約1,600ガルを計測しました。世界で観測された地震の最大値でも約4,000ガルとなっており、それ以上の最大ガル数であれば、よほどのことがない限りは安全といえます。

ハウスメーカーによっては、耐震実験で最大5,000ガル以上の震度7の揺れに60回耐える構造の住宅もあります。高さがある住宅では最大ガル数は下がってしまいますが、4,000を超えていれば問題ないでしょう。

最大カイン数

カインはガルと同様に地震の強さを表す単位の1つで、1秒間に何センチメートル動くのかという揺れの早さを意味します。つまりカイン数が高い住宅ほど、揺れ幅が大きい地震に耐えやすいということです。

しかし耐震性能を、カイン数の最大値だけで判断することは危険です。たとえ最大カイン数が低くても、揺れの周期が短い地震だと住宅に被害が出やすくなります。実際に熊本地震では、近い地域でも最大カイン数が高い所のほうが全壊率が低いという結果がありました。他の基準も考慮して、高い耐震性を実現してくれるハウスメーカーを選びましょう。

住宅コストを確認

選ぶハウスメーカーによって基本的な品質が決まるため、住宅のコストにも影響が出ます。ここでは価格帯が変わるローコストハウスメーカーや地域の工務店、大手ハウスメーカーの3種類について解説していきます。

ローコストハウスメーカー

ローコストハウスメーカーとは、間取りや内装を選択肢の中から組み合わせて住宅を建てているメーカーのことです。ゼロから設計しないので、坪単価は30万~50万円で1,000万円台から住宅を注文できます。

全国展開しているメーカーであれば、タマホームやアイフルホームなどがあります。予算はあまり確保できないものの、できるだけ希望に近い住宅を建てたい人はローコストハウスメーカー向きです。

地域の工務店

地域の工務店はハウスメーカーと違い、決まった仕様のラインナップはありません。基本的に依頼主の要望を聞いて、ゼロから設計していきます。坪単価は50万~60万円で1,000万~2,000万円台が相場です。自由度が高いため総額の幅は広くなっています。

また担当の裁量権が高かったり工務店の責任者が直接対応してくれたりして、価格の交渉はしやすくなっています。細かく注文を付けて節約もしたい方には地域の工務点が向いているでしょう。

大手ハウスメーカー

大手ハウスメーカーは設備や建材などにハイグレードのものを使用し、機能性の高い住宅が期待できます。その代わり坪単価は70万円以上と高く、費用は3,000万円以上になることを想定しておきましょう。

多くのメーカーが全国展開しているため、価格は高くても地域によらず希望の住宅を設計してもらえます。高品質の住宅に住みたい方には大手ハウスメーカーが向いています。

アフターサービスの内容・期間を確認

ハウスメーカーとの関係は、住宅を建てたらそれで終わりではありません。不具合の修理などで、何年も経ってからお世話になることもあります。アフターサービスの内容はハウスメーカーごとに異なるため、もしもに備えてどこまで対応してくれるのかをチェックしましょう。

新築住宅のアフターサービスは、大きく分けて次の2つに分けられます。

  • 法律で定めている10年保証
  • ハウスメーカーごとに異なるアフターサービス

法律で定めている10年保証

新築の場合は、住宅品質確保促進法により10年間の保証が付いています。建物の基礎や屋根、構造部分に適用され、問題があると賠償の請求が可能です。

ただしキッチンやお風呂、外壁塗料などの問題に関しては10年の保証は適用されません。各メーカーが独自に保証期間を設定していて、1~2年であることが多いです。

ハウスメーカーごとに異なるアフターサービス

ハウスメーカー独自のアフターサービスでは、次のようなものがあります。

  • 長期の定期点検
  • トラブルのコールセンター
  • 設備の故障を一定期間無料で修理
  • 将来の売却サポート

保証内容や期間の長さ、無料や有料などを基準に、利用する必要性が出てきそうなサービスがあるかどうかで、ハウスメーカーを選ぶのがおすすめです。特に点検を疎かにしていると、問題に気づけずに劣化が早まるため、対応期間が長いほうがよいでしょう。

担当者との相性

もし担当者との相性が悪いと、自身の希望が十分に反映されなかったり、失敗するリスクが高い提案を止めてくれなかったりします。実際に話してみて、こちらの話をしっかり聞いてくれるか、不信感を抱かないかなどをチェックしましょう。

専門的な知識を初心者に分かりやすくかみ砕いて説明したり、できないことに対して納得できる理由を解説できたりする人は信頼できます。

ハウスメーカーの情報はどこで入手する?

ハウスメーカーを選ぶ基準が分かっても、関係する情報を集めないとどこがよいのかが判断できません。手当たり次第に情報を集めていては手間と時間がかかり、なかなか住宅を建てるための次のステップに進めないでしょう。そこで、おすすめの情報収集方法を2つ紹介します。

モデルハウスなどで情報を集める

1つ目は、近場にある総合住宅展示場でモデルハウスを見ることです。複数のメーカーが出展していて、短時間で現物を見て回ることができます。各社の担当者が在籍しているため、気になることはすぐに質問することも可能です。

1日で全てを見て回ろうとすると、細かい所までチェックできずに印象にも残りにくいです。3社程度を目安にして、日にちを分けてじっくりと見比べてください。

住宅相談サービスを利用すると効率的

効率的にハウスメーカーを厳選したい人は、住宅相談サービスを利用しましょう。基本的に無料で利用でき、希望の条件をかなえられるハウスメーカーをピックアップしてくれます。ゼロから情報収集する必要がなく、契約するまでのアドバイスがもらえる便利なサービスです。

また住宅相談サービスによっては、オンラインの打ち合わせにも対応しています。事前に予約は必要になりますが、小さな子供がいても家族で相談することが可能で、コロナ禍でも安全性が確保できます。

ハウスメーカー選びの注意点

最後にハウスメーカー選びの注意点について解説していきます。自分なりに厳選したつもりでも、思い込みで見てしまっていたり数字に騙されたりして、希望を実現できないかもしれません。そのため、選ぶ際は次の2つの点に注意しておきましょう。

  • ハウスメーカーの知名度だけで選ばない
  • 坪単価はあくまでも参考にする

ハウスメーカーの知名度だけで選ばない

CMなどでよく目にする知名度の高いハウスメーカーでも得手不得手はあり、自身の希望を全て満たす住宅を建てられるとは限りません。そのため価格帯や得意としているデザインや構造などを総合的に判断してください。

もし総合的な判断で候補が複数社ある場合は、知名度があるハウスメーカーを優先したほうがよい場合もあります。長期のアフターサービスを受けたくても、倒産されてしまってはどうしようもないため、迷ったら知名度の高いところを選びましょう。

坪単価はあくまでも参考にする

坪単価が安いハウスメーカーを選んだとしても、実際に住宅を建てると高額になってしまう可能性があります。坪単価を算出するときに各種設備を計上していなかったり、間取りを考慮していなかったりすることがあるからです。また自身の希望を満たそうとすると、価格は際限なく上がっていきます。

ハウスメーカーごとの坪単価は参考程度にして、見積もりを取ってトータルの価格で比較すると正確に判断できます。土地の価格と合わせて、予算内に収まりそうなハウスメーカーを選んでください。

まとめ

ハウスメーカーは大手だけでも数十社あり、どこを選べばよいのか迷いがちです。適当に選んでしまうと、費用がかかった割に希望を全て満たせないこともあるため、慎重に選ぶ必要があります。

後悔しないためにはデザインや構造、価格、アフターサービスなどを総合的に判断して、1社に絞り込んでください。モデルハウスで現物を見たり住宅相談サービスを利用したりすると、判断するために必要な情報を集められます。希望の住宅を建てる第一歩のため、じっくりと選んでつまずかないようにしましょう。

※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
https://www.land.mlit.go.jp/webland/
https://www.rosenka.nta.go.jp/
https://www.retpc.jp/chosa/reins/
https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/02/2021-fudousan-anke-to.pdf


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この記事を書いた人

マイナビニュース不動産査定編集部は、家の売却、家づくり、リフォームなど不動産に関わる様々な情報をわかりやすくお届けします。

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