昨年12月にフリスクケースサイズのスティック型PC「m-Stick MS-NH1」を、真っ先に市場へ投入したマウスコンピューター。手のひらに収まるという今までにない小ささの筐体は、PCのイメージを大きく変化させるものとなり、同社の予想すら超えるヒットとなった。現在ではパソコン工房の「Picoretta」や、インテルの「Compute Stick」など、他社製品も続々と登場し、ひとつのジャンルを形成するに至っている。

小型ファンが追加された、スティック型PCの新モデル「m-Stick MS-PS01F」

そんな状況の中でマウスコンピューターが新たに送り出した製品は、本体に小型のファンを内蔵した「MS-PS01F」だ。その小ささと薄さゆえに、常に熱による性能低下の可能性を秘めているスティック型PCの弱点を補強したモデルといえる。安定したパフォーマンスを望むユーザーには最もうれしいアップグレードとなるだろう。スペックこそ「MS-NH1」とほぼ同一となるが、同社では各製品ごとにBIOSを変え、それぞれ独自のチューニングを施しているという。今回は、ファンを搭載した新モデル「MS-PS01F」と、m-Stickシリーズのスタンダードモデルである「MS-NH1」の比較を行って、その効果を検証したい。

上が新モデル「m-Stick」のパッケージ、下がスタンダードモデル「MS-NH1」のパッケージ。従来よりも箱のサイズが若干大きくなった

同梱品はスタンダードモデル同様、電源供給用のUSB to microUSBケーブル、HDMI延長ケーブル、出力5V/2AのUSB電源アダプタとなる。USB電源アダプタのみ、形状が変化している

基本設計は変えずに、ファンを搭載することで冷却性能をアップ!

前述したとおりMS-PS01Fは、MS-NH1に小型のファンを追加し、向上した冷却性能に合わせたチューニングを行ったモデルだ。インタフェースはスタンダードモデルであるMS-NH1とまったく同一で、マウスコンピューターのロゴが入った正面にLEDランプ、側面にUSB 2.0端子、microUSB端子(電源供給用)、電源ボタン、microSDスロットという構成を採用している。端子の位置もまったく同じなので、使用されている基板自体は変わっていないと考えていいだろう。通気用スリットの位置はMS-NH1が本体中央部であるのに対し、本モデルではファンとは反対側に設けられている。これはファンの力を利用して、本体内部全体にエアフローを作り出すための設計だろう。

スタンダードモデルMS-NH1(下)と新型MS-PS01F(上)を並べたところ。長方形でフリスクケースのような形状をしたMS-NH1に対し、MS-PS01Fは端子カバーを含め、なだらかな曲線を用いたデザインとなっている

ロゴから見て下側の側面には、両モデルともUSB 2.0端子、microUSB端子(電源供給用)、電源ボタンを備える。位置までほぼ同じだが、通気用スリットの位置が異なる(上:MS-PS01F、下:MS-NH1)

ロゴから見て上側の側面には、microSDスロットを搭載。こちらも両モデルとも位置は同じだ。反対側の側面同様、通気用スリットの位置は中央部から端へと寄せられている(上:MS-PS01F、下:MS-NH1)