ソニー「α550」は、可動式の液晶モニタを備えたデジタル一眼レフ機だ。初級機からの買い替え層を主なターゲットにして、2種類のライブビューや笑顔検出、秒間7コマの連写、手持ちのHDR撮影機能などを搭載する。その画質と機能、使い勝手をレビューしよう。ボディの市場価格は9万円前後。現在の市場価格はマイコミジャーナル価格情報をご覧いただきたい。

α550ズームレンズキット

チルト可動式の3型液晶モニタを搭載

ソニーは今年6月に、エントリー向けのデジタル一眼レフ機として「α230」「α330」「α380」の3台を発売した。これらは「はじめて一眼」というコンセプトに沿って、機能と操作性をシンプルにまとめ、持ち運びに便利な小型軽量ボディを実現したモデルだ。

ソニースタイルでは、α550ボディをはじめ各レンズキットにメンテナンス用品(ブロワー、レンズペン、PORTERオリジナルポーチ、防湿ケース)がセットになった特別セットも販売。送料無料のほか、落下や水ぬれの際にも無料で修理が受けられる3年間保証サービス<ワイド>が付属

これに対して、今回登場したα550は「アクティブ撮影一眼」という位置づけで、より凝った撮影や自由な表現に適したワンランク上の機能を備える。といっても、中級者や愛好家向けのマニアックなカメラではない。一眼ビギナーをそろそろ卒業し、ステップアップを目指す一般ユーザーに向けた製品である。

α550のボディは、α230/α330/α380に比べておよそ一回り大きく重くなった。前面から両側面に張られたラバー素材や、天面のオーバル形状、ロゴの配置などデザインの基本イメージは継承しつつ、操作ボタンの追加やグリップの大型化を図っている。前3モデルの小さなグリップは賛否が分かれたが、α550ではデジタル一眼では標準的な大柄グリップとなり、手の大きなユーザーでもしっかりと構えられる。

ボディ背面には、α330/α380と同じく上下可動式の液晶モニタを備える。可動の角度は従来機より広がり、上方向に最大90度、下方向に最大90度に対応。左右方向への回転が今回も見送られたのは残念だが、液晶にライブビューを表示し、横位置でローポジションやハイポジションから撮る際に重宝する。……続きを読む

3型約92.1万ドットのエクストラファイン液晶を搭載。α330/α380の液晶に比べてサイズとドット数を高めたほか、コーティングの改良によって視野角や視認性が向上

レンズキットに付属する標準ズーム「DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM」を装着。手ブレ補正は撮像センサーシフト式で、シャッター速度換算で最大2.5~4段分の効果を持つ

記録メディアは、SD/SDHCカードとメモリースティックPROデュオのダブルスロットを搭載する。スロットの上部にあるスイッチ操作で両者の切り替えを行う

電源にはリチウムイオン充電池「NP-FM500H」を採用する。CIPA準拠のバッテリ寿命は、ファインダー撮影で約950枚、ライブビュー撮影で約480枚となる