NECは、東京・三田の同社本社ビル1階に、「BluStellar Studio」をオープンした。
NECの業種横断の実践知や先進技術の展示、AIを活用したワークショップなどのコンテンツを用意。約40種類のBluStellar Scenarioなどを体験できる場となっている。
NEC BluStellar Studio長の田中秀明氏は、「BluStellar Studioは、製品やサービスを見せるショールームではない。また、来場して楽しかった、勉強になったと思ってもらう場でもない。対話を重ね、議論をし、課題を深堀りし、意思決定を次に進めるためにはどうするか、具体的な解決策や次のアクションにつなげる場と位置づけている」とし、「お客様から求められているのは、技術は自分の会社にどうやって使えるのか、どの課題を優先して解決すべきなのかを知りたいという点である。AIなどの先進技術を見るだけでなく、NECが培ってきた業界理解や知見、先端技術、活用事例、ワークショップを通じて、お客様の真の課題を解決するためのアクションを考えることになる」と、BluStellar Studioの狙いを述べた。
これまでNEC本社の1階には、イノベーションの共創空間と位置づけた「NEC Future Creation Hub」を設置していた経緯があり、年間5000人の来場実績があった。
だが、田中氏は、「ショールームとしての色合いが強かったため、NEC Future Creation Hub側から、お客様に対して、一方的に説明を行い、質問を受けて終わることが多く、営業部門が積極的に関わるケースが少なかった」と振り返り、「BluStellar Studioでは、営業部門がお客様の隣について、課題を深堀りする場にする。会議室で議論するだけでなく、体験するエリアでも議論ができるようにしている。来場者数は、従来の半分ぐらいになるかもしれないが、見て終わりという場にはしない。ビジネスを強く意識した施設にする」との姿勢を示した。
また、BluStellar Studioでは、顧客の心を拓き、関係構築と対話を促し、ホスピタリティを感じるエントランスエリアと、体験を通じて価値を生み出すことができるエクスペリエンスエリアで構成。役割ごとに空間のコントラストを重視した設計にもこだわったという。それぞれのエリア全体を通じて、意思決定につながるストーリーを感じられるようにしたことも強調した。
滞在時間は、NEC Future Creation Hubでは1時間程度だったが、BluStellar Studio では2~3時間を想定。経営層から現場の担当者までを対象にする。
BluStellar Studioの役割として、「意思決定を一気に前に進める」、「何を、どこまで、どうやるかを見通す」、「本質的な判断を研ぎ澄ませる」の3点をあげ、「新たな価値をかつてない速さで生み出す空間にする。見せる場ではなく、解決策やネクストアクションを創る場にする」との考えを示した。
企業の状態や目的、ゴールから逆算した最適なプログラムを設計。BluStellar Studioのスタッフと営業部門、コンサルティング部門、各領域の専門家が一体となり、プログラムを推進する。また、研究所が持つ最先端技術を体験してもらうこともできるとした。
プログラムとコンテンツは、来場する企業の状況や、目的に応じて変更。解決すべき課題や目指すゴールを起点に、「何ができるのか」「今どこまで踏み込むべきか」「次に何をすべきか」を見通せるようにする。
また、「BluStellar Studioを本社内に設置したことで、VIPが来場した際に、NECの経営幹部をすぐに呼ぶことができる。また、AIに関する部門や、働き方改革に関する組織も本社にある。専門家との連携が取りやすいというメリットがある」とも述べた。
プログラムの具体的な例として、2つをあげた。
ひとつめの「プログラムA」では、顧客ごとに個別設定する内容としており、BluStellar Studio内の展示エリア内の構成をモジュール化。顧客のニーズにあわせてコンテンツを配置したり、レイアウトを大幅に変更したりできる。
現在、BluStellar Scenarioのなかから、「クライアントゼロ」、「安全で快適な移動体験の実現」、「業務の高度化、効率化によるビジネス変革」、「リアルとデジタルの融合による顧客体験価値向上」、「AIネイティブ時代のレジリエンス強化」、「安全、安心を支えるデジタルインフラ」、「AI/生成AI活用による経営改革」、「世界に革新と安心を届ける先端技術」の8つのプログラムを用意している。
「経営課題や関心にあわせたプログラムの体験だけでなく、議論を通じて、次のアクションにつなげることは重視する」という。
もうひとつの「プログラムC」では、人とAIを組み合わせて、本質的な課題抽出から解決策の提示までを迅速に実行する。
「なにが経営課題なのかがわからないという企業もある。まずは、課題を整理したいという企業向けのプログラムになる」とする。
コンサルタントによるファシリテーションとともに、AIが仮説や示唆を提示。課題抽出から取り組む課題のロードマップを立案し、合意形成を図るとともに、BluStellar Studioでのデモ体験を組み合わせることで、課題やロードマップの解像度を高めるという。
「生成AIとNECのコンサルタントが生み出す多角的な仮説や示唆を掛け合わせることで、通常は数カ月かかる顧客課題抽出や推進テーマの策定を短時間で行い、より確かな判断へとつなげることができる」という。
NECでは、今後、BluStellar Scenarioの広がりにあわせて、BluStellar Studioでのプログラムを増やしたり、見直しを行ったりといったことも進める。
「最新の技術の展示のほか、紹介する事例を増やすといったことも考えている。3カ月に一度程度のペースで、プログラムとコンテンツ変えたり、増やしたりしていくことになる。一度の利用ではなく、何度も利用するケースも想定している」とした。
BluStellar Studioでの展示内容を、写真を通じて紹介する。
なお、NECでは、本社1階のシーサイド側をビジネスエリアとして、BluStellar Studioを新設した一方で、パークサイド側をパブリックリレーションエリアと位置づけ、2027年4月に新たなオープンエリアを開設する予定も明らかにした。こちらは、行政や政策関係者、海外VIPを含む、幅広いステークホルダーにNECを知ってもらう場にするという。ここでは、NECの歴史に関する展示も行う。
「パブリックリレーションエリアは、従来のNEC Future Creation Hubの役割を担うことになる。NECを知ってもらうことが目的である。多くの人を受け入れて見学する場として活用するほか、新入社員や学生の見学も受け入れる」とした。












