今回は、秋葉原で中古スマホや白ロムスマホを扱うイオシス アキバ中央通店を訪ね、スマホの売れ筋について取材しました。

  • イオシス アキバ中央通店のスマホショーケース。未使用品から中古品まで、機種別にズラリと並んでいる

現在、米国のトランプ政権が進める“制裁”の方針により、ファーウェイをはじめとする中国メーカー製品は今後の展開が不透明な状況となっています。また、iPhoneは今秋リリース予定の新OS「iOS 13」のアップデート対象からiPhone 6以前の端末が外れる、といった動きも報じられました。これらの動向を受け、店頭での売れ行きに変化は見られるのでしょうか。

店頭スタッフの高野裕太氏は「ファーウェイ製品に関しては、コストパフォーマンスが高いミドルクラス以下のモデルはいまも好調です。価格とリスクを天秤にかけて、十分にもとが取れると判断しているのでしょう。ただ、価格帯の高いハイエンド端末に関しては、検討している人から今後を心配する声が届いているのは確かです」といいます。同店では、国内で販売されたファーウェイ製端末の買い取りをこれまでと変わらず実施しています。iPhoneに関しては「まだ影響はなく、これまで通りですね」とのことです。

そうした状況で、スマホの売れ筋ランキングのトップ7を教えてもらいました。白ロム端末を購入するための3つのアドバイスを踏まえながら追って行きましょう。

  • セットするSIMのタイプを把握してから端末を選ぶのが基本中の基本
  • ゲームをプレイするか否かで、必要な予算は段違い。LINEやメール、SNS、通話中心ならコスパ重視モデルでOK
  • カメラ性能の差も大きい。海外メーカー製スマホなら、エントリー級でもデュアルカメラが選べる

※原稿と写真で掲載している価格は、2019年6月5日14:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1~2位:ゲーム重視の人に売れる「iPhone 7」「iPhone 8」

ランキングは1位から4位まで、iPhoneが独占する形となりました。もともとiPhoneの人気が高いこともあり、iPhoneブランド全体の販売数は何年も安定して高いままとのことです。

取材時は、1位が「iPhone 7(32GB/SIMロック解除済み/未使用品)」で税込み3万6800円、2位が「iPhone 8(64GB/SIMロック解除済み/未使用品)」が税込み5万2800円という並びですが、両機種の順位は相場によって頻繁に変動するそうです。

「4月はiPhone 8が爆発的に売れて、6月初旬の現在はiPhone 7に交代した感じです。キャリアのキャンペーンや他店の価格設定の影響もあるので、このあたりは“生もの”といえますね。どちらも、高性能ゲームを楽しみたいハイスペック志向の人に売れる端末なので、ニーズが競合しているわけです」

  • アップル「iPhone 7」

  • アップル「iPhone 8」

第3~4位:ライト層に売れる「iPhone 6s」「iPhone SE」

3位は「iPhone 6s(32GB/SIMロック解除済み/未使用品)」、4位は「iPhone SE(32GB/SIMロック解除済み/未使用品)」です。税込み価格は、順に2万7800円と3万2800円。いずれも、ゲームなどをやり込みたい人よりも、比較的ライトにiPhoneを使いたい人を中心に売れているとのこと。iPhone 7/8の値動きの影響はあまり受けないそうです。

「同じiPhoneでも、iPhone 7/8とは別レイヤーの売れ方をしていますね。6sとSEは搭載しているCPUが同じなので、コンパクトさを求めるならSE、コスパ重視なら6s、という感じで選ばれています」

  • アップル「iPhone 6s」

  • アップル「iPhone SE」

第5位:マニアが指名買い、Windows 10 Mobileモデル「503LV」

5位には、変わり種といえるソフトバンクの法人向けモデル「503LV」がランクインしました。2016年11月に登場した端末で、OSにWindows 10 mobileを採用しているのが特徴です。SIMロック解除済みの未使用品(32GBモデル)が税込み5980円で売られています。

Windows 10 mobileのサポートは2019年12月に切れますが、価格の安さとOSの珍しさから、ガジェット好きな人を中心に勢いよく売れているそうです。

「ソフトバンクの端末ながら、NTTドコモのプラチナバンドにも対応するところもポイントですね。サポート期間や対応するアプリの少なさなど、すべて分かったうえで買っていく人ばかりです」

  • お店の入り口に置かれていて目立つ「503LV」

  • ソフトバンク「503LV」

第6位:6月に入ってもなお堅調なファーウェイ「P20 lite」

6位は、ファーウェイが2018年6月に発売した国内版の「P20 lite」。32GBのフラッシュメモリーを内蔵したSIMフリーの未使用品で、税込み1万7800円となります。

前述のとおり、ファーウェイのハイエンドモデルは勢いが一時的に止まっていますが、P20 liteのようなミドルクラスは向かい風傾向がありながらも堅調に売れ続けているとのことです。

「なんといっても、この価格帯じゃあり得ないスペックですからね。8コアCPUでメインカメラもデュアル。Googleも、現行品のサポートは続けると言っていますし、そのあたりを総合的に判断して選ばれている人が多いと思います」

  • ファーウェイ「P20 lite」

第7位:DSDVが可能なOPPOのミドル端末「R15 Neo」

7位には、OPPOのAndroid端末「R15 Neo」が入りました。メモリー3GB/フラッシュメモリー64GBを搭載するSIMフリーの未使用品で、税込み価格は1万7800円となります。

価格的にも、6位のP20 liteのライバル的な売れ方をしているそう。R15 Neoがとくに注目されているのは、nanoSIMスロットが2基あり、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)が可能なところと、4230mAhの大容量バッテリーを搭載しているところです。

「通話だけなら、3日間使っても40%減るかどうかで、とにかくバッテリーの持ちがすごい端末です。メインカメラもデュアルですし、P20 liteと双璧をなす存在となっています」

  • OPPO「R15 Neo」

著者プロフィール
古田雄介

古田雄介

フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年~)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007~2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『死とインターネット』(Kindle版)、『ここが知りたい! デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。