商品の売れ筋は日々移り変わっていきます。そのトレンドを瞬間瞬間で切り取るべく、家電量販店や専門店、中古ショップを訪ね、特定のジャンルの売れ筋を調べていきましょう。今回は前回に引き続き、ビックカメラ新宿西口店にて電動アシスト自転車の売れ筋を取材しました。

同店の自転車売り場では、普通の自転車と電動アシストタイプの売れ行きは4:6ほどになっているそうです。同店が家電量販店ということを加味しても、電動アシスト自転車がかなり普及したことがうかがえます。

電動アシスト自転車の売り上げが特に伸びるのが、春の新生活シーズンだそう。自転車売り場を担当する片平雅人主任は「主力の買い物用が年間を通して安定して売れるなかで、子どもの入園をきっかけに子乗せタイプの需要が盛り上がります。近年は、通勤用にスポーツタイプを買われていく方も目立っていますね」と解説します。

  • ビックカメラ新宿西口店の3階にある自転車売り場。ガイドしてくれたのは、スポーツコーナー主任の片平雅人氏

初めて電動アシスト自転車を購入する際のアドバイスは次のとおりです。

  • 8~10年は使うことを考えて、直近から買い替え時期までの使用用途をカバーできるタイプを選びましょう。
  • アシスト距離の比較は重要。長距離なほうが日々の充電回数が抑えられ、バッテリーが長持ちします。
  • 屋外で長期間使う道具なので、ルックスやカラーにも妥協せずに選ぶのが満足して使ううえで重要です。

以上を踏まえて、同店における最近の売れ筋トップ5を見ていきましょう。

※原稿と写真で掲載している価格は、2019年4月24日14:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:リアチャイルドシートが好評「ギュット・アニーズ・DX」

一番人気は、パナソニックの子乗せ20型モデル「ギュット・アニーズ・DX」。オートモードで約60kmのアシストが可能なモデルで、後部に標準搭載されているチャイルドシートが高く評価されています。価格は税込み14万3413円。

「背中の後ろのレバーでベルトのロックと解除、長さ調節がスムーズにできます。車輪が小さくて重心も低く、子どもの乗り降りが楽だと喜ばれています。パナソニック製品で共通していますが、こぎ出しのパワーが比較的強めなところを気に入って購入する方もいますね」

  • パナソニック「ギュット・アニーズ・DX」

第2位:通年で安定した人気の買い物向けモデル「ビビ・DX」

2位もパナソニック製品が入りました。買い物向けの「ビビ・DX」で、26型タイプを中心に季節を問わず売れているとのことです。価格は税込み11万3173円。

バッテリー容量はギュット・アニーズ・DXと同じ16.0Ahですが、タイヤサイズが大きくアシスト効率が高いため、オートマチックモードで約70kmの走行が可能です。価格と性能のバランスの良さが定番人気の理由とか。「主婦層を中心に、通勤用に使う方や、オプションでチャイルドシートを装着してサブの子乗せ自転車として購入する方もいます。さまざまな用途に応用しやすい強みがありますね」

  • パナソニック「ビビ・DX(26型)」

第3位:両輪駆動&自動充電の子乗せモデル「ビッケ モブ dd」

3位は、ブリヂストンサイクルの子乗せモデル「ビッケ モブ dd」。前輪は24型で、標準のチャイルドシートを置く後輪が20型になっています。ギュット・アニーズ・DXのライバルとして常に競り合っているそう。価格は税込み15万2593円。

電動モーターが前輪に付いていて、ペダルで直に回転する後輪との両輪駆動になっているのがポイント。オートモードで約58kmのアシストに加え、下り坂などでの自動充電による駆動距離の伸長も狙えます。

「両輪駆動なので、走行がより安定しています。自動充電をうまく使えば1割近く距離を稼げるので、そこを気に入って選ぶ人も少なくないですね。もうひとつ、カーボンベルトを採用していることが決め手になったという人もいます。チェーンだと2~3年での交換が求められますが、こちらは買い替えまでメンテナンスフリーでいけるポテンシャルがありますから」

  • ブリヂストンサイクル「ビッケ モブ dd」

第4位:10万円切りで通勤向けにヒット「ベロスター」

続く4位には、スポーツタイプのパナソニック「ベロスター」がランクインしました。タイヤサイズは27型よりも少し回り大きい700×38C。オートモードでのアシスト距離は約36kmですが、税込み価格が9万5973円と10万円を切っているのがポイントです。

「タイヤ径が大きくて軽快に走行でき、通勤用に購入される方が多いです。買い求めやすい価格なので、電動アシストの入門機としても人気がありますね。オプションで前カゴを装着する方も多いです」

  • パナソニック「ベロスター」

第5位:フロントチャイルドシートの定番「ビッケ ポーラー e」

5位は、再び子乗せタイプです。ブリヂストンサイクルの20型「ビッケ ポーラー e」が入りました。アシスト距離は標準モードで約63km。価格は税込み14万6664円。

「ベルトの調節のしやすさと、クッションの使いやすさが評価されています。1歳ぐらいの小さな子どもを乗せる際も、クッションが隙間を埋めてとても安定しますから」

同店では、後部に標準シートがある子乗せ自転車が前乗せタイプよりも売れてきているといいます。ただ、前乗せタイプは小さな子どもを乗せやすく、走行中も子どもに目が届くということで、人気は衰えていないとのことです。

  • ブリヂストンサイクル「ビッケ ポーラー e」

はみ出し情報……若い女性に支持されるミニベロ「グリッター」

トップ5以外に目立つヒットモデルとして、片平氏はパナソニックの20型バイク「グリッター」を挙げてくれました。オートモードで約54km走行するモデルで、税込み価格は11万2860円。とりわけ、若い女性からの支持が厚いといいます。

「“ミニベロ”と呼ばれる小径バイクのなかで特に売れている製品です。一般的な買い物用よりもスタイリッシュで、学生や社会人の若い女性に人気ですね。見た目がおしゃれなだけでなく、前カゴが深くてバッグが入れやすいのと、電動アシスト付きながら重量が24.5kgと比較的軽いのが好まれています」

  • パナソニック「グリッター」

著者プロフィール
古田雄介

古田雄介

フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年~)や『売り場直送!家電トレンド便』(日経トレンディネット/2007~2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『死とインターネット』(Kindle版)、『ここが知りたい! デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。