先日、某マックでポケモソカードつきハッピーセットが転売ヤーに駆逐され、一般客がカードはもちろんハッピーセットにさえありつけない事態となった。

主な被害者は子供という意味で、令和のポケモソショック再来であり、用済みになったハッピーセットが大量廃棄されていたこともあり、アンハッピーになった子供とその親、一般のポケモソファン、そしてデブを中心に改めて転売ヤーへの怒りが沸き上がった。

批判されたのは転売ヤーだけでなく、転売対策を怠った企業側も同様である。

確かに転売ヤーとの戦いが応仁の乱級に長引いているのは、これと言った対策をしない企業側にもあるといえるが、すでに対策をしているところはこれでもかとしているのだ。

鬼の転売対策といえば我らが任天堂だが、真っ先に転売の被害にあっていたコンサートチケット界隈も今ではかなりの対策が採られている。

私の友人とその娘は某人気男性アイドルグループのファンであり、チケット当選率を上げるため家族全員でファンクラブに入っているのだが、仮に当たったとしてもそのチケットを使えるのは応募者本人のみ、さらに同行者の重複も不可になっていたそうだ。

この厳重な転売対策の結果、友人の夫のみが当選し、ファンである友人と娘を差し置いて「大人気男性アイドルグループコンサートに男一匹電撃参戦」が実現したそうだ。

ちなみに友人の娘はまだ小学校低学年だ、ここでも子供が泣いてしまっている。

つまり、転売により一般客がチケットを入手できなくなった次は、転売対策で一般客が凄まじい不便を強いられている、というのが現状だ。

法やルールは悪に合わせて作られるものであり、入るなというところに入る輩がいるから、大仁田厚戦でしか見たことがない電撃柵が作られるのだ。

そしてそれで感電死するのは主に一般客なのである。

だが転売対策をしない企業よりもさらに問題があると言われているのが、転売商品の出品を許すフリマサイトなどである。

いくら転売品を仕入れても売るルートがなければ意味がない、フリマサイトがもっと転売に厳しくなれば転売問題も少しは収まるはずなのだが、今のところフリマサイトは現金を売ってきた時ほどではないが、今でも幻想郷なみに全てを受け入れてしまっている状態だ。

もはや転売は国が取り締まるべきものではないかと言われているが、今のところ一部の品を除いて合法であり、違法じゃないならやらなきゃ損という発想に至ってしまう者も少なくないのだ。

レンタル専用品がまさかの転売、「絶対返したくない」人も別途存在

  • 「返せない」理由は千差万別……

    「返せない」理由は千差万別……

転売をしようという発想に至った時点で人としてはかなり下っているのだが、まだ下り足りないという人間により「それを売るという発想はなかった」というものが売られてしまうこともある。

私のような田舎の人間にはあまりなじみがないが「レンタルモバイルバッテリー」というサービスがある。

各所に設置してあるスタンドからモバイルバッテリーをレンタルし、使い終わったら最寄りのスタンドに返却するというシステムだ。

我が村のように最寄りスタンドを検索したら「県外」が表示される田舎には関係ないサービスであり、東京でモバイルバッテリースタンドを見るたびに、これを借りたまま飛行機に乗って田舎に帰ったらどうなるんだろうと想像していたのだが、私の想像など児戯にすぎなかった。

このレンタルモバイルバッテリーのアイドルコラボ品をフリマサイトに売る奴が現れたのである。

借りたものを売り飛ばすという世紀末だが、何故こんなことが平気でされたかというと、レンタルモバイルバッテリーは返さない奴対策として、天井まで借りると違約金込みの料金を払うことになり、そこからはレンタル料が発生しなくなるからだ。

つまり、実質買い取りと同じだから売っても問題ないだろうとなってしまったのである。

しかし、天井まで借りたモバイルバッテリーも所有権はレンタル会社にあるらしいので、それを売るというのはどちらにしても規約違反であり、違反品を平気で出品させてしまうフリマサイトにも問題があると批判された。

だが利害など関係なく、むしろ大損をしてでもモバイルバッテリーを返却したくないという無頼漢は一定数おり、バッテリー回収のために1000円クーポンをつけるなどの対策を余儀なくされているようだ。

何の得もない、むしろ大損なのになぜ返さないのかと思うかもしれないが、「面倒」という感情に自我を乗っ取られている人間は、面倒なことをするぐらいなら金を払うし、時には命さえ削るので、そんな命知らずを相手に1000円クーポンがどれだけ戦えるかは疑問だ。

私も脳に面倒が寄生しているタイプなので、レンタルモバイルバッテリーが普及していない田舎住みでむしろ良かったと思っている。

ないなら借りずに済むし、返す必要もない。

「あるのが悪い」というのはけだし名言である。