第7回 iPad miniと海外旅行に出かけてみた

第5回で「旅行に持って行くならiPadの方」と書いたにもかかわらず、今回の台湾旅行にはiPad miniを持って出かけた。理由は15インチのMacBook Pro Retinaも持って行ったから。大きな画面が必要な作業はこちらで行って、iPad miniはフィールドで使うマップみたいな扱いがしたかったからだ。常に持ち歩く端末として、iPadは大きい。iPad miniはバッグからサクッと出して必要な情報を確認するのに最適な大きさだ。

台湾でデータ通信する

台湾のデータ通信事情は日本より進んでいるかもしれない。地下鉄では5年以上前からケータイが繋がるし、LTEこそまだきていないものの3G網は国中に広がっている。日本から台湾に行く場合、一番簡単な通信手段は公衆無線LANを使うことだ。今年から台湾では、iTaiwanというサービスを旅行者向けに開放した。これは台湾国内にある公衆無線LAN網を海外旅行者に開放するサービスで、iTaiwanに加入すれば5つほどある無線LAN網をすべて利用できるようになる。手続きは空港にある交通部観光局のカウンター(トラベルサービスカウンター)でメールアドレスを記入し、パスポートを見せればOK。その場でアカウントが登録され、パスポート番号と生年月日でログイン可能になる。iTaiwanだけで4,400箇所以上、その他のサービスも街中の人が集まるエリアにはほぼ必ずあるので、ちょっと休憩しながらデータを見るという使い方なら十分だろう。

台北松山空港のトラベルサービスカウンター。iTaiwanというロゴはどこにもないが、このカウンターで聞けばすぐ発行してくれる

iTaiwanは台北市内だけでなく高雄などの地方都市でも有効だ。『台湾無料WIFI』というiPhone用のアプリを入れておけば公衆無線LANのアクセスポイントが近付くと通知センターに通知が届き、アクセスポイントまでの距離と方向を表示できる。カメラのレンズからアクセスポイントの方向を表示するAR表示も可能だ。

iPhoneの通知にiTaiwanまでの距離と場所の情報が表示されている。オフライン状態でも利用可能だ

iPhoneではカメラを通してアクセスポイントの方向と距離を表示する

公衆無線LANがない場所も当然ある。その場合は日本国内でWi-Fiルータを借りていこう。1日500円程度からレンタルでき、台湾国内であればほぼどこでも繋がるだろう。

Wi-Fiルータのレンタルはかなり一般的になった。自分のiPhoneやiPadがそのまま使えるのはとても便利だ

SIMカードを買ってみる

iPad miniがソフトバンクでセルラー版な人にオススメなのが、空港でSIMを買うことだ。iPad miniは国内ではソフトバンクのSIMしか使えないが、海外ではSIMフリーで利用できるため、現地でSIMさえ手に入れれば自由にデータ通信が利用できるのだ。インターネット共有を使えばテザリングでiPhoneを利用することもできるのでWi-Fiルータの代わりにもなる。iPad miniはレンタルのWi-Fiルータよりバッテリー容量も大きく、1日付けっぱなしでもバッテリーの心配がないこともポイントだ。

SIMカードは同じく空港にある台湾モバイルや中華電信などのカウンターで購入できる。必要なものはパスポートの他にもうひとつ、免許証などの身分証明書。顔写真の入っているものを持参しよう。カウンターにデータ通信用のSIMカードはいくらという形で表示がある。3日なら250元(800円)程度だ。手続きは数分で完了する。iPhone/iPad miniならSIMカードを交換するだけで面倒な操作は必要ない。ここで注意するのはSIMを抜くときのピンを持って行っておくこと。筆者はすっかり忘れていたため、ホテルでクリップをもらうまでデータ通信が出来なかった。

台北松山空港の中華電信のカウンター。データ通信用はいくらという表示があるのでそれを購入すればOK

マップとして使えるiPad miniは快適だ。画面が広く、自分の位置もちゃんと表示できる。行きたい場所が分からないときはWebで検索してガイドも表示できる。フィールドで積極的に活用したいならiPad miniを持って行こう。

マップ表示ではルータを使っていても現在位置がちゃんと表示でき、地図も広い。見知らぬ土地での活動にこれほど便利な地図もないだろう