どこでもサイエンス恒例の備忘録企画、宇宙どうでしょう。今回は前回の昨年末&2020年1-2月編に続き、今年前半をさらっておきますよー。夕方の金星が圧倒的!な輝きで大型連休まで楽しめます。6月には日食がハイライトです。宇宙開発関係では、新型有人宇宙船のデビューが続く予定です。さらには火星探査機が国際連合艦隊となって、地球を旅立ちますよー。

3月−4月の星空

夕方の金星が見ものでございます

明るさは−4.5等と圧倒的です。これはナミの1等星の160倍もの明るさです。1等星は東京の都心でも見えますが、その160倍明るいので、繁華街からでもバッチリなんですな。と、実は金星はいつもそんなものですが、見える場所がポイントなんです。

著者注:n等の差に対して10^(2/5*n)で計算できます。エクセルとかに入力して試してね

というのは、金星は、地球との位置関係で、太陽の近くにしか見えないのです(下の図が理解の助けになりますかどうか)。にもかかわらず! 3-4月は、夜になっても高いところ=太陽から離れたところにあるのです。これはギリギリの絶妙な位置、図でいうと点線矢印の辺りに金星がいるからなんですな。

  • 金星の位置

金星の周囲には、冬の星の明るい星たちが健在

金星の圧倒的輝きの周囲には、-1.5等とナミの一等星の10倍のシリウスほか、明るい冬の星が健在です。あれは何? とかわからなくても十分楽しめます。

4月3日には金星とプレアデス(すばる)が接近。双眼鏡を向けてみて!

プレアデスは、写真のような星がごちゃっと集まった星団です。東京でも多摩とか千葉の船橋とか、はたまた神奈川の相模原とかいったちょっとした郊外なら、容易に見つけられます。そうでなくても都心でも双眼鏡でみると、星が散らばっていてキレーなのですが。4月3日は金星が接近しますので、金星に双眼鏡を向け、その辺りをウロウロと見渡すと「わっ」という感じで見つけられます。天体写真を望遠レンズで写すチャレンジ対象としても有名ですな。こんな写真なんか撮れたらいいですよねー。プレアデスは集団で誕生して1億年程度で、間も無く消滅する(太陽の100億年の寿命に比べると)短命の青く明るい星がたくさん含まれているのがポイントです。

ちな、プレアデスは日本名ですばる、あの自動車メーカーのSUBARUの名前の元ですが、星のすばるは六連星とも言われ、SUBARUは富士重工に5つの会社が合わさって1つになった際のクルマブランド名から、2017年4月に社名になったのですな。SUBARUは自動車のほか、小型機プロペラ機など航空分野でも有名で、さらに宇宙産業にも参入しています。

5月−6月の星空

5月22日は、夕方の低空に水星を見つけるチャンス

水星は非常に見つけにくい星です。というのは、金星よりさらに太陽に近いところにあるため、夕方の空が明るいうちに、すぐ太陽を追いかけて沈んでしまうからなんですね。水星の明るさは、最大で−0.4等とかなり明るいのですが、場所が悪いというわけです。ちなみに、太陽の周りを惑星が回るという地動説を唱えたのはコペルニクスという人ですが、この人、自分では水星をみたことがなかったと伝えられているくらいです。

ところが、そんな水星ですが、強烈な金星のアシストで見つけやすいのです。この日と前後1日は金星と水星が接近しています。夕方のかなーり低空ではありますが、金星の近くにもう1つ明るい星がないか? ぜひチェックしてくださいませ。

6月21日、当分日本では見られない日食

以前の連載でも申し上げた通り、6月21日に日食が起こります。で、これ今回見逃すと日本では、2030年1月1日までないんですな。日食。

参考:どこでもサイエンス 第170回 「12月26日は日食! & 2020年の宇宙、どうでしょう?(1−2月編)」

で、この日食は全国で見られます。場所によって違うのですが夕方4時~6時くらいですな。梅雨時ではありますが、諦めずにチャレンジしてくださいませー!

なお、南ほど大きくかけ、台湾の中部では金環日食になります。ちなみにこの日は夏至ですので、北回帰線がある場所では、頭の真上で日食が太陽が見えますな。台湾もあたりますが、日食開始が正午過ぎです。正午前後に日食になるというと、NASAのマップをみるとインドの中部のあたりになりそうです。

3月−6月のロケット&宇宙

いつも頼りになるSPACE FLIGHT NOWから拾って見ます。

3月はインドが、GISAT 1とRISAT2BR2いう地球観測のための衛星を打ち上げます。静止衛星と北極と南極を縦回りする衛星ですな。インドは2014年に日本や中国より早く火星探査機を成功させたり、月着陸機にチャレンジ(昨年失敗したが、今年再度挑戦する予定)など、着々と宇宙開発を進めています。

民間宇宙会社も活躍ですな。某ファッション通販の元社長に月旅行を予約購入してもらっている米国SpaceX社は、Starlinkという通信衛星クラスターを1回の打ち上げで100機単位で増やしています。3月にも予定されていますな。また、国際宇宙ステーションへの物資を運ぶドラゴンも完全に定期便となっています。5月には、またまた有人機のテストフライトも行いますな。宇宙飛行士2人を乗せて、打ち上げ-着水のテストをする予定です。

ヴァージン・オービット社も小型のロケットLauncherOneの開発に余念がありません。同社は日本のANAとも業務提携をしており、宇宙がますます近くなりそうな感じですなー。

また民間と国のドッキングでは、ボーイング社のStarliner有人機が、米国が開発したAtlas Vで打ち上げられます。こちらも有人テストフライトですな。

他にも国レベルでいろいろです、中国の長征、ロシアのソユーズ、それからヨーロッパのアリアンの打ち上げがアナウンスされています。6月にヨーロッパの小型ロケットVegaが地球探査衛星SEOSat-Ingenioを打ち上げますよ。

日本は、というと5月にH-IIBロケットで国際宇宙ステーションへの補給の打ち上げがアナウンスされていますが。12月と言われるはやぶさの帰還までちょっと寂しいかなー。

ともあれ、宇宙開発とっても賑やかでございます。後半は火星探査も待ってますが、これはまた6月ごろに。では。

著者プロフィール

東明六郎(しののめろくろう)
科学系キュレーター。
あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。