• 原宿に「Google Store 表参道」がオープンした

    原宿に「Google Store 表参道」がオープンした

原宿に「Google Store 表参道」がオープンした。表参道と明治通りの交差点である「神宮前交差点」の北東角に位置する東急プラザ表参道、いわゆるオモカドのテナントだが、明治通り側の路面エントランスからアクセスできる好立地だ。B1、1F、2Fの3つのフロアで構成される。今年はGoogleが日本での活動を開始して25周年になるそうだが、米国外では初となる旗艦店ができたかたちだ。

  • Google Store表参道オープン前の店舗。左手奥にはGalaxy Harajukuの看板が見える

    Google Store表参道オープン前の店舗。左手奥にはGalaxy Harajukuの看板が見える

Googleといえば渋谷のイメージが強い。実際、現在の日本のメインオフィスは渋谷ストリームにある。渋谷は同社日本法人の創業の地だ。2001年に渋谷・セルリアンタワーでスタートした。これまた米国外では初となる海外法人だ。そのくらい日本の市場に熱心だ。2010年には六本木ヒルズに移転、そして2019年、渋谷に里帰り移転した。表参道からは、キャットストリートを南に向かうと明治通りに合流して渋谷に達する。

今回の出店は、渋谷というより原宿だ。店名こそ表参道だが、最寄りはJR原宿や東京メトロの明治神宮前駅だ。まあ、表参道というエリアは広い。いわゆる明治神宮の表参道としての大通り沿いにあれば表参道といっていい。実際、表参道ヒルズも最寄りは明治神宮前だ。青山通りの表参道駅周辺はアップルストアの縄張りだといえる。

表参道はもともと明治神宮への正面参道という1本の大通りを指していたが、現在では、北側の神宮前から南側の北青山、南青山一帯を含む広域なトレンドエリアの総称となっている。アップルストアがある表参道と青山通りの交差点付近は、高級ブランドがひしめくハイエンドエリアでもある。こうしたエリアが確立したのに、渋谷や新宿の再開発が永く続いていることは無関係ではあるまい。

今回Googleが選んだのは、同じ原宿エリアでも竹下通り的なカルチャーではなく、表参道カルチャー色の強い交差点の一角だ。一方、すぐ目と鼻の先にあるGalaxyの旗艦店、Galaxy Harajukuは竹下通りの出口からすぐの位置にあり、店名としても原宿を冠している。

表参道にはスマホ周辺ガジェット大手のAnker Store 表参道もあり、このエリアにGoogleが旗艦店をオープンしたことで、長年Appleが象徴的存在だった表参道エリアにGalaxy、Googleがひしめくスマートカルチャーのエリアができあがった。OSを問わないスマホ文化の象徴としてのAnkerもいる。これはもうまさにリアル社会におけるiOSとAndroidの位置関係に見えるから不思議だ。渋谷にはオフィスがある。しかし、リアル店舗として一般消費者との接点を作るなら、世界中の観光客や若者が行き交う表参道・原宿のほうが適しているという判断もあったのだろう。

  • 発表された新Pixelもすでに並んで体験し、予約ができる

    発表された新Pixelもすでに並んで体験し、予約ができる

  • Pixel製品の廃材コレクションを使って作ったアクセサリ類。日本限定の少数販売だ

    Pixel製品の廃材コレクションを使って作ったアクセサリ類。日本限定の少数販売だ

東京在住でなければなんのことだかわからないような話で恐縮だが、この長い前置きで、今回のGoogleの意気込みがよくわかると思う。しかも、同社ストア史上最大の広さを誇るというからその気合いのほどがうかがえる。そこで、GeminiをはじめとするGoogleのAIやテクノロジーを体験でき、Googleのテクノロジーを熟知したスタッフから手厚いサポートを受けられるのだから、買う前も買ったあとも心強い。このストアはショールームでもあり、ショップでもあるからだ。

B1フロアではスタッフとの1対1の対面サポートで、購入した新しい端末の初期設定やデータ移行、また、特定の機能の使い方のレクチャーなどを受けられる。また、Google Pixelシリーズデバイスの店頭修理も依頼でき、内容によっては即日修理にも対応する。オンライン予約をするのがいいが、ウォークインでの相談も受け付けてもらえる。まさに、アップルのジーニアスバーに相当する機能が提供されることになる。

  • マンツーマンでサポートが受けられるスペースはB1フロアにある

    マンツーマンでサポートが受けられるスペースはB1フロアにある

本音を言えば、現実にはPixel製品の販売拠点だが、このストアがGoogleのスマートテクノロジーのショールームとしてのみならず、Androidというエコシステムを代表するストアになっていればいいと思う。とりわけ日本はiPhoneのシェアが高い国だ。表参道商圏を支える20~40代のコア層はもちろん、それよりも若い10代後半層の多くはiPhoneのユーザーだ。彼らにとってのアップルストアは駆け込み寺としても機能している。

その一方で、GoogleはAndroidエコシステムにおいて単なるOSの開発元にとどまらず、プラットフォームの設計、エコシステムの管理、クラウド、AIインフラの統合者という多層的な役割を担っている。そんなGoogleに期待するのは、先行したAndroid体験を市場に提示し、他のパートナー各社に刺激を与え、エコシステムを盛り上げる役割を担ってくれることだ。そのデバイスとしてのショールームがPixelデバイスそのものなのだが、それを売ることだけに執心していては、市場の拡大は難しい。だからこそ、今回のストアオープンがPixelの垣根を越えた広い方向に機能してほしいと思う。クローズドな垂直統合型のAppleとは違う、オープンな水平分業型の共通プラットフォームでの相乗効果、つまり、掛け算で成り立つエコシステムをこの日本で確立できないものだろうか。Androidは、Googleが道路やインフラを整備し、その上に世界中のメーカーや開発者が建物を建てて発展してきた巨大都市のようなものだ。