ビジネスはもちろんプライベートにも大活躍のデバイスがある。それが近頃流行りの文字起こしレコーダーだ。個人的に当初はGoogleレコーダーアプリをスマホで使っていたが、デバイスとしてのスマホはスマホで、外国語話者のスピーチを同時通訳させたり、写真を撮影したりして何かと忙しいので、音声の録音には専用のデバイスを使うようになった。

たいていのレコーダーは、一度の充電で数十時間の録音が可能だ。そして、録音した音声データは、無料プランで一カ月あたり300分程度の文字起こしが可能で、AIを使った要約などをさせられる。デバイスそのものは録音に徹し、録音終了後に音声データをスマホアプリにBluetoothまたはWi-Fiで転送、アプリがそのデータをクラウドに転送して、AIが処理するというスタイルになっている。AI処理はさせずに音声データを抜き出して、自分の使っている別のAIサービスに処理させるような使い方もできる。もっとも多くのAIサービスは1時間を超えるような音声データを処理するのが難しい。餅は餅屋で、音声の文字起こしについては専用のAI処理ができるレコーダー一体型のサービスが無難だ。

専用レコーダーの役割は録音と記録だけなので、怖ろしく長時間バッテリが持つ。ほとんどの製品は30時間を超える。だから、ちょっとやそっとの録音でバッテリがなくなることはないので、ついつい放置して、いざというときにバッテリ切れ寸前という事態に遭遇する。

現地への移動中の電車の中で気がつけば、スマホやノートパソコン、モバイルバッテリから充電すればいい。本体に内蔵されたバッテリはごく小さなものなので、ある程度充電すれば、それなりの録音時間であれば十分対応できる。

だが、困ったことに、充電には専用のケーブルが必要だ。本体の厚みが薄すぎて、Type-Cポートを実装するのが難しいのだ。多くの製品は充電のために専用のケーブルでのポゴピンを使った充電やクレードルが必要になるのを何とかしたかった。

  • AnkerのSoundcore Workは、カード型バッテリとレコーダー本体の組み合わせ

    AnkerのSoundcore Workは、カード型バッテリとレコーダー本体の組み合わせ

  • 本体は極小サイズでウェアラブルそのもの

    本体は極小サイズでウェアラブルそのもの

  • バッテリに装着すれば物理的に接続されて充電ができる。無駄になる電力は最小限に抑制できる

    バッテリに装着すれば物理的に接続されて充電ができる。無駄になる電力は最小限に抑制できる

そして見つけたのがAnkerのSoundcore Workだ。この製品は同社初のボイスレコーダーで、超小型のレコーダー本体と、カード型のバッテリがセットになっている。本体はきわめてコンパクトでわずか10gしかない。マグネットで洋服にはさんだり、付属のネックレスチェーンで首からさげたりすることができる。レコーダーとバッテリはマグネットで吸着し、物理的なピン経由で充電される。わずか10分の充電で最大2時間の録音ができる急速充電の機能もあり、万が一のバッテリ切れには心強い。専用のカード型バッテリにはUSB-Cポートがあるので、スマホ充電に使っている汎用ケーブルでの充電が可能だ。

だが、専用のカード型バッテリがなければ充電できないというのは、専用のケーブルが必要というのと変わらないともいえる。

ここも何とかならないかと考えていたら、Nottaの製品 Notta Memoが汎用的なType-Cでの充電に対応した。レコーダーそのものは既存製品のまま変わらず、それとセットになるケース側にType-Cポートを実装して組み合わせたのだ。このケースに入れて持ち運んでいれば、バッテリ切れに困ることはない。

このUSB-Cポート付きのケースはオプションとしても提供されていて、既存製品のオーナーも別途購入することができる。この対応は素晴らしい。

  • notta Memoは専用ケースにUSB-Cポートを実装して対応

    notta Memoは専用ケースにUSB-Cポートを実装して対応

  • 専用ケースは既存製品で使えるので、オプションとしても提供されている

    専用ケースは既存製品で使えるので、オプションとしても提供されている

本体を薄く保ちつつ、ケースや本体と一体化するカード型バッテリで解決するアプローチが現在のトレンドであるようだ。

一方、ソースネクストが第五世代のスマートタグ、Pebblebee5を発売した。iPhoneとAndroid双方に対応するスマートタグの5世代目だ。クリップ型とカード型の2種類のフォームファクタが用意されているが、クリップ型はType-Cポートを持っている。また、カード型はワイヤレス充電をサポートする。

  • カード型とクリップ型が用意されるPebblebee5

    カード型とクリップ型が用意されるPebblebee5

  • クリップ型にはUSB-Cポートが実装されて汎用的なケーブルで充電ができる

    クリップ型にはUSB-Cポートが実装されて汎用的なケーブルで充電ができる

前者は一回の充電で最大12カ月、後者は18カ月を駆動できるスペックだ。2回くらい充電すれば、外装などの劣化も気になって買い替えたくなるかもしれないが、バッテリが切れたら充電できるというのは心強い。第4世代の製品も充電に対応していたが、それらは専用のケーブルを使ったポゴピン経由での充電が必要だった。いよいよ汎用的な方法で充電ができるようになったわけだ。年に一度の充電というタイミングで専用ケーブルが見当たらないといったこともなくなる。

こんな具合に、身の回りのいろんなデバイスがUSB-Cポートを使って充電できるようになってきている。これはうれしい限りだ。ひとつの汎用ACアダプタがあれば、ほとんどすべてのモバイルデバイスに充電ができる。ただ、バッテリは消耗品なので、その劣化によって、新品当時のバッテリ駆動時間は使っているうちにどんどん短くなる。

たぶん、スマホでそれを経験している方も少なくないだろう。以前は、スマホの買い換えサイクルが短かったのであまり目立たなかったかもしれないが、今は、3年を超えてスマホを使うユーザーも珍しくない。それでも性能としてはあまり困らなかったりするので余計にやっかいだ。

スマホ界隈ではバッテリ交換がリーズナブルな価格でできるようになってきているが、これがイヤフォンなどになると絶望的だ。バッテリの寿命とともに使い捨てになってしまう。これはレコーダーや忘れ物タグでも同じだ。そろそろ本体の薄型軽量化に影響しない画期的な着脱式バッテリの実装を業界全体で考えなければならない時期に来ていると思う。