米Qualcomm Technologiesは5月28日(現地時間)、エントリークラスのノートPC向け新プロセッサ「Snapdragon C Platform」を発表した。学生、家庭、小規模事業者などを主な対象とし、300ドル台からのWindowsノートPCに、日常用途に十分な応答性能、静音性、長時間駆動、AI機能を提供することを狙う。

Snapdragon Cは、Webブラウジング、動画視聴、文書作成、ビデオ会議といった一般的な用途に向けたプラットフォームである。Qualcommは特徴として、ファンレスが可能な「発熱を抑えた設計」と「終日利用が可能な長いバッテリー駆動時間」を挙げている。また、エントリークラス向けながらNPUを統合しており、ローカルAI処理にも対応する。

同社によると、Snapdragon C搭載デバイスは2026年内に店頭に並ぶ見通しである。初期のOEMパートナーとして、Acer、HP、Lenovoが挙げられている。

これに合わせてAcerは、Snapdragon Cを採用する初のノートPCとして「Acer Aspire Go 15」を発表した。15.6型フルHDディスプレイを備え、Windows 11 Homeを搭載する。メモリは最大8GB、ストレージは最大512GB。1080p Webカメラ、53Whバッテリー、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.4以上に対応し、インターフェースとして2基のフル機能USB Type-C、USB Type-A、HDMI 1.4、オーディオ端子を備える。価格と発売時期は地域ごとに異なり、Acerは詳細を後日発表するとしている。

Snapdragon Cの投入は、Arm版Windows PCをより低価格帯へ広げる動きとして位置づけられる。これまでQualcommのWindows向けSnapdragon搭載PCは、AI PCや薄型軽量ノートを中心に展開されてきたが、Snapdragon Cでは手頃な価格帯でコストパフォーマンスを重視する層向けのPCへの採用を見込む。Microsoftも2026年3月に、Windows 11のベースメモリ使用量の削減やシステム応答性の向上などを盛り込んだ品質向上計画を発表しており、OS面でも手頃な価格帯のPCの体験を向上させる取り組みが進められている。

ただし、Snapdragon C搭載機は上位のCopilot+ PCとは位置づけが異なる。The Vergeなどによると、Snapdragon Cは、フラッグシップ帯のWindowsノートパソコンやスマートフォン向けチップに採用されているOryon CPUコアではなく、旧世代のスマートフォンやChromebookなどに広く搭載されてきたKryoコアをベースとしているという。ローカルAI演算用のNPUを搭載する一方で、MicrosoftのCopilot+ PC要件は満たさないとされる。Snapdragon C搭載デバイスは、Appleが3月に発売したA18 Proチップ搭載エントリー向けMac「MacBook Neo」との比較で注目されることになりそうだ。