エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)は10月29日、都内にてメディア向けに新製品発表会を開催しました。

発表会では、2026年より新展開されるプレミアムライン「PRO MAX」シリーズのコンセプト発表をはじめ、第5世代QD-OLEDパネルを採用した34インチウルトラワイドモニターや、最新AI PCのお披露目、さらに映像監督のかとうみさと氏を招いたトークセッションなど、盛りだくさんの内容となりました。本記事では発表会の模様をレポートしていきます。

  • 映像制作にもMSI有機ELモニターが有用。ローカルAI対応PC「PRO MAX EDGE AI+」など実機を見てきた

    映像制作にもMSI有機ELモニターが有用。ローカルAI対応PC「PRO MAX EDGE AI+」など実機を見てきた

ワンランク上のビジネス&クリエイター環境を創出する「PRO MAX」

発表会では最初に2026年より新たに展開されているブランドライン「PRO MAX」シリーズについての説明がありました。

MSIでは従来、ビジネススタンダード向けとして「PRO」シリーズを展開していますが「PRO MAX」はそのワンランク上に位置付けられるビジネスプレミアムシリーズです。

ブランド名に含まれる「MAX」には、「Modernity(現代性)」「Acceleration(加速)」「Experience(体験)」という3つの設計思想が込められており、作業そのものに没頭できる洗練された環境と、多機能性や優れた接続性の実現を目指して開発されているとのことです。

主なラインナップとして、2026年5月より順次発売されている液晶およびQD-OLEDモニターシリーズに加え、本日リリースとなるAMD Ryzen AI Maxを搭載した小型AI PC「PRO MAX EDGE AI+」などが展開されます。

  • 従来のPROシリーズのワンランク上、ビジネスプレミアムがターゲット

    従来のPROシリーズのワンランク上、ビジネスプレミアムがターゲット

  • 高性能、高品質、高機能のモニターやデスクトップPCなどがPRO MAXシリーズにラインナップされています

    高性能、高品質、高機能のモニターやデスクトップPCなどがPRO MAXシリーズにラインナップされています

第5世代QD-OLED×フラットウルトラワイド「PRO MAX 341QPXW14G」

続いて、主力モデルとなる34インチウルトラワイドモニター「PRO MAX 341QPXW14G」の詳しい製品説明が行われました。

本モデルは、無骨さを抑えワークスペースに自然と調和するホワイトデザインを採用。パネルには積層型の第5世代QD-OLED(ボス・タンデム方式)を搭載し、最大1,300nitsの輝度と、従来の方式に比べ30%向上した発光効率を実現しています。

サブピクセル構造にはRGBストライプ配列を採用したことで、白い背景上のテキスト表示などで発生していた色の滲み課題を大幅に改善しました。

  • ホワイトのノイズレスな筐体に、高画質や高機能を詰め込んだPRO MAX 341QPXW14G

    ホワイトのノイズレスな筐体に、高画質や高機能を詰め込んだPRO MAX 341QPXW14G

  • 第5世代のQD-OLEDパネルを採用し、明るさや文字の滲みも改善されています

    第5世代のQD-OLEDパネルを採用し、明るさや文字の滲みも改善されています

パネル表面には「ダークアーマーフィルム」を施し、黒レベルを40%向上させて引き締まった黒と高いコントラスト表現を可能にすると同時に、表面の耐傷性も高めています。さらに、映り込みを徹底的に抑えたノングレア相当の表面加工が施されています。

機能面では、同社のウルトラワイドQD-OLEDとしては初となる「フラットタイプ」を採用し、動画編集時のタイムライン拡張やマルチタスク表示に最適な仕様となっています。

また、Macユーザー向けに新開発された専用ユーティリティアプリ「M-Mate」に対応。MacBookのディスプレイに近い色味を再現する「M-Colorモード」や、Macのキーボードからモニターの輝度・音量を連動調整できる「M-Sync」機能に対応しています。

  • OLEDの強みである「黒」の発色を高め、さらに傷からディスプレイを守るダークアーマーフィルムも搭載しています

    OLEDの強みである「黒」の発色を高め、さらに傷からディスプレイを守るダークアーマーフィルムも搭載しています

  • 映像制作などクリエイターに支持されるMac/macOSとの連携機能も充実しています

    映像制作などクリエイターに支持されるMac/macOSとの連携機能も充実しています

有機ELで懸念される焼き付き対策も万全です。焼き付き対策機能の「OLED Care 3.0」では、モニター前面下部に配置されたNPUベースの「AI Careセンサー」がユーザーの離着席を検知し、画面を自動で消灯・点灯を行うほか、24時間周期の自動パネルリフレッシュ機能で画面を保護します。

最大96GB VRAM割り当てが可能なミニワークステーション「PRO MAX EDGE AI+」

続いて紹介されたのが、同日リリースとなるミニマルサイズのAIワークステーション「PRO MAX EDGE AI+」です。

プロセッサには16コア/32スレッドの「AMD Ryzen AI Max+ 395」を搭載。本機の最大の特徴として128GBのユニファイドメモリを搭載し、そのうち最大96GBをビデオメモリとして割り当てられる点にあります。これにより従来のディスクリートGPUでは難しかった大容量のローカルLLMの動作・推論をスムーズに行うことが可能です。

発表会では実際に大型推論モデル「Llama 3.8 Flash Next(IQ3_S)」を用いたミニゲーム生成処理において、入力速度約662トークン/秒、出力速度約40トークン/秒という高速処理が行えたことがアピールされました。

また、ロード時(消費電力200W弱)での24時間連続稼働時における電気代は1日あたり約120円(1kWhあたり30円計算)に収まり、非常に優れたワットパフォーマンスを誇る点もPro Max High AI+の特徴です。

  • 小型筐体に高性能のLLMを動作できるパワーを詰め込んだPRO MAX Edge AI+

    小型筐体に高性能のLLMを動作できるパワーを詰め込んだPRO MAX Edge AI+

  • LLMはもちろん、高い拡張性で負荷の高いワークロードでも活躍できます

    LLMはもちろん、高い拡張性で負荷の高いワークロードでも活躍できます

  • 128GBの大容量・高速なメモリを搭載しています

    128GBの大容量・高速なメモリを搭載しています

  • ローカルLLMは大型推論モデルも、実利用に耐えうる性能で動かすことができます

    ローカルLLMは大型推論モデルも、実利用に耐えうる性能で動かすことができます

映像監督・かとうみさと氏が語る、Pro Maxモニターが変える映像制作の現場

発表会ではミュージックビデオ、ドラマ、広告、商業映画など幅広く手掛ける映像監督・アートディレクターのかとうみさと氏がゲストとして登壇し、クリエイター目線によるインプレッションが語られました。

普段はMac StudioとAdobe Premiere Proで映像編集を行っているというかとう氏。事前にPro Max 34インチウルトラワイドモニターを試用した感想として、「横幅が広くタイムラインを大きく表示できる上、修正指示書などの資料を横に並べて並行作業できるため非常に効率的。本体が薄くスタンドも細いため、デスク上に資料を置くスペースが確保できるのも魅力的」と評価しました。

画質面については、「黒のグラデーションが美しく奥行きがあり、サテン生地のような繊細な質感までしっかり伝わってくる」と絶賛。Mac環境との親和性に関しても、「カラーグレーディングの際, Macの色味に近いモニター表示ができることで、視聴者が実際にスマホやPCで見る環境に近い状態で確認できるのは作品作りにおいて心強い」と語りました。

さらに、画面への映り込みの少なさや、Macのキーボードからスムーズに音量・輝度調整ができる「M-Sync」機能についても「余計なストレスなく作業に没頭できる」と好印象を示し、「作品のクオリティを底上げしてくれる力強い製品」とまとめました。

  • 映像監督のかとうみさと氏

    映像監督のかとうみさと氏

  • 実際にPRO MAX 341QPXW14GとMac Studioの組み合わせで、動画編集作業のデモンストレーションを行い画面の大きさやOLEDパネルのメリットを解説していました

    実際にPRO MAX 341QPXW14GとMac Studioの組み合わせで、動画編集作業のデモンストレーションを行い画面の大きさやOLEDパネルのメリットを解説していました